婦人科癌化学療法における嘔吐に対するhigh-dose metoclopramide, diphenhydramine, methylprednisolone, diazepamの制吐効果
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概要
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婦人科悪性腫瘍患者40例に行つた計98回の cisplatin (50mg/m^2を含む化学療法を対象として, metoclopramide (MCP)とdiphenhydramine (DPH), methylprednisolone (MPL)とdiazepam (DZP), および両者の併用の3種類の制吐法についてその制吐効果を検討し, 以下の結果を得た. 1) MPL(500mg静注×2回)+DZP(5mg筋注×2回)投与では, 8例に計25回投与し, 嘔吐なし0%, 嘔吐1〜2回20%と制吐効果は弱かつた. 2) MCP (2mg/kg静注×5回)+DPH (40mg静注×3回)投与では, 18例に計20回投与し, 嘔吐なし35%, 嘔吐1〜2回10%であつた. 3) 両者を併用した MCP+DPH+MPL+DZP投与では, 30例に計53回投与し, 嘔吐なし51%, 嘔吐1〜2回25%であつた. 4) 嘔吐なしの割合からみると, MCP+DPH (35%)および MCP+DPH+MPL+DZP (51%)は, MPL+DZP(0%)より有意に高く(p<0.005), DPHとともに投与した大量のMCPの有効性が示された. 5) 有効率 (嘔吐0〜2回の割合)からみると, MCP+DPH+MPL+DZPの有効率76%は MCP+DPHの45%より有意に高く(p<0.05), MCP+DPHに対するMPL+DZPの併用効果が認められた. 6) MCP大量投与の副作用と考えられる錘体外路症状が, MCP+DPHを投与した1例にみられた. 以上の結果から, cisplatinによる嘔吐に対して, DPHとともに投与した大量のMCPは有効で, MPL とDZPを併用することにより制吐効果がさらに高められることが明らかになつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1988-07-01
著者
-
福田 耕一
佐賀医科大学産科婦人科
-
岩坂 剛
佐賀医科大学産科婦人科
-
杉森 甫
佐賀医科大学産婦人科
-
蜂須賀 徹
佐賀医科大学産婦人科
-
林 嘉信
佐賀医科大学産婦人科
-
松尾 憲人
佐賀医大
-
田中 智光
西有田共立病院
-
松尾 憲人
佐賀医科大学産婦人科
-
林 嘉信
新日鉄病院
-
田中 智光
佐賀医科大学産婦人科学講座
-
杉森 甫
佐賀医科大学
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