わが教室での胎児鏡検査成績

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わが教室では、1983年から1985年までに妊娠17例に対し超音波断層検査を併用した胎児鏡検査を施行したので、その検査成績について報告する。1.胎児鏡検査の適応は、1)眼皮膚型白皮症罹患妊娠とその同胞3例、2)妊娠中薬剤長期服用3例、3)羊水過多症5例、4)前回妊娠異常児出産2例、5)前回胎内死亡1例、6)血友病保因者3例、7)羊膜索症候群及び臍帯ヘルニア合併妊娠を疑われた2例の計17例である。2.胎児鏡による外表観察や採取胎児血の凝固検査及び染色体分析による検査後診断は、1)異常なし12例、2)染色体異常1例、3)羊膜索症候群1例、4)頭・胸結合体双胎1例、5)Beckwith-Widemann症候群1例、6)臀部腫瘤1例であった。3.胎児鏡検査施行後の転帰は、1)正期産4例、2)過期産2例、3)早産6例(羊水過多症4例、検査施行後14週以降破水2例)、4)人工妊娠中絶2例、5)転居による不明1例、6)胎内死亡1例(検査施行後11週)、7)経過観察中1例である。4.胎児鏡検査の合併症は、胎児にはみられなかったが、母体には***出血2例、羊水漏出1例、羊膜剥離1例が認められたがいずれも数日間の安静で症状消失した。以上の成績により、胎児鏡検査は、超音波断層検査と併用することによってより安全かつ正確に行われ、それによって出生前の早期確定診断、児の予後判定、適切な分娩様式の選択決定などを可能とし、その臨床的価値の高いことが確認された。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1987-05-01

わが教室での胎児鏡検査成績

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