内頚部型子宮頚部腺癌における予後因子の検討
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概要
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1950〜1984年に当科で経験した子宮頚部腺癌群518例のうち, 内頚部型腺癌endocervical type, adenocarcinoma (EC) 337例について生存率を求め, その結果より予後因子を推定した. (1) ECの5・10年累積生存率は, I期83.3%・78.0%, II期71.6%・55.8%, III期27.1%・19.7%と, 臨床期により生存率に差が認められた (p<0.01, <0.05). (2) ECの組織分化度別生存率の検討(290例)では, 高・中・低分化型腺癌の5・10年累積生存率は, 各々61.4%・51.9%, 58.8%・49.7%, 42.9%・42.9%であり, 分化度の低下に従って生存率が低下する傾向がみられた (p : NS). (3) Ib・II期手術例(140例)において筋層浸潤による5・10年累積生存率を求めてみると, "<1/3" 群は92.7%・86.9%, "1/3〜2/3" 群86.6%・82.3%, ">2/3" 群75.0%・63.2%と, 前2群と ">2/3" 群の間で差が認められた (p<0.05). (4) 骨盤内リンパ節(PLN)転移の有無より, 陰性群の5・10年累積生存率は, 90.7%・85.8%であったのに対し, 陽性群の5・10年累積生存率は, 40.9%・29.8%と予後不良であった (p<0.05). (5) 最小5年生存率の検討ながら, 基靱帯浸潤の有無によっても, 陰性群71.2%に対し, 陽性群11.1%と予後に差がみられた (p<0.001). (6) Ib・II期手術例, 放射線治療例(100例)における最小5年生存率は, 各々81.3%, 58.5%であり, 早期例において手術例は放射線治療例より予後が良好であった (p<0.01).
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1994-09-01
著者
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