卵巣癌患者の寛解期におけるCA125の動態 : 平均減衰曲線と手術化学療法の影響

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原発性卵巣癌患者で, 手術と化学療法により術後200日経た時点で臨床的に寛解に入ったと診断した21例について, CA125の術前よりの経時的モニタリングを施行した。この方法により, CA125の術後75日目までの平均減衰曲線 (指数曲線) を求めたところ, Y=2.4831 exp(-0.11281×10^<-1>X) となった〔Y:log_<10> (CA125), X:術後日数〕。また, CA125のhalf lifeは11.5日であり, 35 U/ml未満となるのは42.1日であった。術前CA125が1,000 U/ml以上の群 (n=8) は, half lifeは6.8日で35 U/ml未満となるのは45.8日, 術前CA125が1,000 U/ml未満の群 (n=13) ではhalf lifeは16.3日, 35 U/ml未満となるのは38.2日であった。術後肉眼残存腫瘍の認められない完全切除群 (n=13) は, Y=2.3655 exp(-0.99935×10^<-2>X) で減少し, half lifeは13.6日, 35 U/ml未満となるのは42.7日であった。初回手術によりCA125の実数値は, 50.0±54.2%減少した。化学療法数判定困難なCisplatin-MFC療法を施行した症例を除く16例について, 化学療法1コース施行で, CA125が35 U/ml未満となったものは6例, 2コース終了により7例, 計13例 (81.3%) が, 化学療法2コースまでに35 U/ml未満となった。以上により卵巣癌の手術と化学療法による寛解導入期におけるCA125の減少動態が明らかとなった。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1989-05-01

卵巣癌患者の寛解期におけるCA125の動態 : 平均減衰曲線と手術化学療法の影響

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