思春期女子の血中insulin-like growth factor binding protein-3 (IGFBP-3), proteolysed IGFBP-3(30KDa)および遊離型IGF-I値の推移について
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概要
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血中insulin-like growth fctor-I (IGF-I)はその大部分がIGF結合蛋白(IGFBP)と結合している. 近年, IGFBPのプロテアーゼが発見され,40/43KDaのintact IGFBP-3はプロテアーゼ活性を受けることによりIGF-Iと結合しないproteolysed IGFBP-3 fagmentに分解されることが報告され, このプロテアーゼ活性が血中遊離型(f) IGF-I値を調節する可能性が示唆されている. そこで健常思春期女子の血中intactおよびproteolysed IGFBP-3発現を測定し, f-IGF-I値とともに初経発来周辺期の変化について検討した. [方法]8歳から15歳の健康な思春期女子108名を対象に血液を採取した. FIGF-I濃度はSep-Pak C_18を用いて酸エタノール法により抽出後RIA法により測定した. Intactおよびproteolysed(30KDa) IGFBP-3発現は被検血清を10% SDS-PAGEで泳動し, Westem immunoblotを行い,コントロール成人男子プール血清における発現強度を, デンシトメーターにて解析し, それぞれ100%とした際の相対発現強度とした. [成績] 1) 血中f-IGF-I値は初経未発来例の8歳(7.7±2.0ng/ml, n=8, mean±SD)から11歳(17.5±3.6, n=11)まで加齢とともに増加傾向を認めたが,それ以後は15歳(14.4±5.6, n=10)まで漸減した. 2) intact IGFBP-3の発現は8歳から10歳まで減少し, 初経発来後は15歳まで漸増した. 一方, proteolysed IGFBP-3の発現は8歳から11歳まで増加傾向を示したが, 初経発来後は15歳まで漸減した. また血中f-IGF-I値とproteolysed IGFBP-3発現との間に有意(p<0.05)な正の相関が得られた. [結論]血中f-IGF-I値は初経発来に向けて増加し, またproteolysed IGFBP-3の発現は初経発来に向かって増加することが初めて示された. また血中f-IGF-I値と有意な正の相関関係が得られたことから, 思春期のプロテアーゼ活性がf-IGF-I値を調節し,思春期女子の身体発育に関与している可能性が示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1999-05-01
著者
-
矢内原 巧
昭和大学医学部産科婦人科学教室
-
長塚 正晃
昭和大学医学部産婦人科学教室
-
斎藤 裕
昭和大
-
千葉 博
昭和大学医学部産婦人科
-
斎藤 裕
昭和大学医学部産婦人科学教室
-
斎藤 裕
自治医大
-
矢内 原巧
昭和大
-
斎藤 裕
昭和大藤が丘病院
-
長塚 正晃
昭和大学医学部 産婦人科学教室
-
矢内原 巧
昭和大学医学部
-
藤原 紹生
昭和大学医学部産科婦人科学教室
-
白土 なほ子
昭和大学医学部産科婦人科学教室
-
齋藤 裕
昭和大学産科婦人科学教室
-
岩崎 万理子
昭和大学医学部産科婦人科学教室
-
斎藤 裕
昭和大学 産婦人科
-
齋藤 裕
昭和大附属藤が丘病院
-
藤原 紹生
昭和大藤が丘病院
-
岩崎 万理子
昭和大
-
千葉 博
昭和大学医学部産科婦人科学教室
-
白土 なほ子
昭和大学医学部産婦人科学教室
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