初期子宮頸癌の円錐切除治療における頸管内遺残および再発のリスクの検討

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0期・Ia期子宮頸癌の円錐切除術(以下, 円切)による頸管内への遺残や再発のリスクを評価するため, 円切後子宮摘出群(n=41)と円切後子宮温存群(n=59)における検討を行い, 以下の成績を得た.1)Ia期のmassとしての広がりは, 0期よりも円周性ばかりでなく頸管内にも広く, 円切に奥行きは0期で10mm, Ia期で20mmを超えることが望ましいと考えられた.2)円周性の広がりが1/4周以下では, 0期・Ia期とも円切標本の頸管側切除断端(以下, 断端)は全例陰性で, 遺残例, 再発例は認めなかった.3)0期では円切後子宮摘出群24例中断端陽性例は1例(4.2%), 摘出子宮での遺残例はなし(0%)であった.また, 円切後子宮温存群41例中断端陽性例は3例(7.3%)であり, 再発例は断端陽性の1例(2.4%), 再発病変は上皮内癌であった.4)Ia期では, 円切後子宮摘出群17例中断端陽性例は4例(23.5%)であり, 摘出子宮での遺残症例は断端陽性の1例(5.9%)で遺残病変は上皮内癌であった.また, 円切後子宮温存群18例中断端陽性群例は3例(16.7%)であり, 再発例は断端陰性の1例(5.6%)で再発病変は高度異形成であった.以上の成績より, 0期, Ia期を問わず, 円周性が広がり1/4周以下の症例では円切による子宮温存のリスクは低いことが示唆された.また, Ia期では断端陽性率が0期よるやや高いが, 摘出子宮における遺残例や平均50カ月の観察期間における再発症例は0期と同様に少数であり, Ia期でも将来の妊娠を希望する場合は, その機会が検討されるべきであろうと考えられた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1998-06-01

初期子宮頸癌の円錐切除治療における頸管内遺残および再発のリスクの検討

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