ヤーコンの葉片培養による植物体再分化

概要

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ヤーコン(Smallanthus sonchifolius)は, 南米アンデス高原原産のキク科に属する塊根作物で, フラクトオリゴ糖が多量に含まれていることから注目されている.ヤーコンは種子繁殖が困難であり, またウイルス病の感染も考えられるため, 組織培養による苗の増殖が求められている.種々の組み合わせのオーキシンとサイトカイニンを添加したMS培地でヤーコンの葉片を培養したところ, 0.1 mg・liter^<-1> 2, 4D, 0.1 mg・liter^<-1> BAPを添加した培地でもっとも効率的にカルスが誘導された.これらのカルスを1.0 mg・liter^<-1> BAPと0.1 mg・liter^<-1> GA_3を添加したHaR培地(Paterson・Everett, 1985)で培養したところ, 不定芽に由来するシュートがカルス上に形成された.さらに, これらのカルスを分割して1カ月間隔で継代培養し, 約1年間にわたってシュートの再分化を継続させることができた.得られたシュートは0.1 mg・liter^<-1> NAAを添加した1/2MS培地で発根し, 順化・鉢出しを経て圃場で順調に生長した.親植物および再分化植物から抽出したDNAについてAFLP解析を行ったところ, 13中12の再分化植物で親植物とは異なる増幅断片が得られ, ソマクローナル変異が生じていることが示唆された.
園芸学会の論文
2002-07-15