Nicotiana debneyiとN. tabacumの雑種実生におけるアポトーシスの発現
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概要
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Nicotiana debneyi Domin.×N. tabacum L. cv. Hicks-2の雑種実生は,生殖的隔離機構の1つである雑種致死性を示して枯死する.本研究ではこの雑種実生の致死過程について,細胞の形態的および生化学的特徴の変化を検証することで,アポトーシスが進行していることを証明しようとするものである.28℃で育成した雑種実生の葉から調整したプロトプラストでは,蛍光顕微鏡を用いた核染色でク口マチンの凝縮と核の断片化が致死症状の進行に伴って観察されるようになった.また,雑種実生から調整した核をフローサイトメトリー分析したところ,根では茎葉よりも早い時期にG1期のピークの減衰とサブG1における新しいピークの出現が始まっており,それに遅れて茎葉でも同じ症状が見られるようになることが分かった.DNAのアガロースゲル分析では,早くも発芽後10日目の雑種実生の根でヌクレオソーム単位でのDNAの切断を意味するラダー像が確認された.これらの症状は細胞死の1形態であるアポトーシスに特徴的な症状であり,本雑種実生の致死過程にはアポトーシスが発現していることがわかった.
- 日本育種学会の論文
- 2002-12-01
著者
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