ブロッコリー小花の老化に及ぼすジャスモン酸メチルの影響
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概要
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ブロッコリー(Brassica oleracea L. cv Italica)の小花は収穫後室温で急速に老化した.ブロッコリーの20℃貯蔵における老化の過程で小花のエチレン生成量は明確に増加し, 最大値に達した後減少した.エチレン生成量の増加はがく片の黄化(クロロフィルの減少)の急速な進行と関連していた.小花の1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC)酸化酵素活性は急速に増加し, ピークに達した後急激に低下した.ACC酸化酵素活性の増減はエチレン生成のそれとほぼ平行であった.1mMジャスモン酸メチル(MJ)処理により小花のエチレン生成とACC酸化酵素活性は対照区と比較して促進され, ピークは早く, そして高い値を示した.クロロフィルの分解もMJにより促進された.1mM MJ処理によりACC合成酵素活性は対照区と比較して高まり, ACCレベルの顕著な増加に関連していた.またエチレン生成量の増大はジャスモン酸生合成の阻害剤であると考えられている10mMジエチルジチオカルバミン酸(DIECA)処理により抑制され, 遅れた.これらの結果はジャスモン酸がブロッコリー小花においてエチレン生成を促進することによって老化の促進に関わっていることを示唆している.
- 園芸学会の論文
- 2000-09-15
著者
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