キウイ果実のエチレン生成
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概要
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キウイ果実(Actinidia Chinensis Planch. cv. Hayward)は21°Cで0.1μlk9-1h-1の限界値を越えた後, エチレン生成量が急激に増加した. 1°Cから21°Cに移した後, 個々の果実で急速なエチレン生成が起きるまでにはかなりの時間の差がみられた. 個々の果実のエチレン生成量が増加し始めるまでの時間とその変異は,果実を低温下 (1°C) で貯蔵する期間が長くなるにつれて短かくなり, 変異は小さくなった. エチレン生成量の増大に伴い果実内部のエチレン濃度は高まり, また呼吸の増加, 可溶性固形物含量の増加, 果実の軟化が平行して起きた. 果実組織中の1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸 (ACC) 含量はエチレン生成の増大と共に増加した. ACC合成酵素の活性も, エチレン生成の顕著な組織で増加した. エチレン生成酵素 (EFE) の活性は, 果実のエチレン生成の増加と共に増加した. 果実組織のエチレン生成はアミノエトキシビニルグリシン(AVG)により顕著に抑制された. EFE活性はコバルトイオン(Co2+), プロピル没食子酸, カプリル酸によって強く阻害された. これらの結果は, キウイ果実中のエチレン生合成はメチオニンを出発物質として, ACC経路を通って進行していることを示している.
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