密植栽培のウンシュウミカンに対する有機物と窒素施用量が果実品質に及ぼす影響
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概要
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ウンシュウミカンの計画密植栽培において, 0.4haの圃場に栽植した'杉山温州'を用い, 有機物施用(稲わらを20t/ha・年施用)と無施用(雑草草生栽培)に, 窒素の100, 200もしくは300kg/ha施用を組み合わせた試験区を設定した.そして1982年(13年生)から11年間にわたり有機物施用の有無ならびに窒素施用量が果実品質に及ぼす影響を調査した.また, 葉中窒素含量と果実品質との関係についても検討した.有機物施用区では, 無施用区に比べて果汁の甘味比, 果皮のa値, 果肉歩合および果実比重がわずかに低く, 果汁の酸度および平均果重はわずかに高かった.長期間の有機物施用の有無にかかわらず窒素施用量の増大に伴って果汁の甘味比, 果皮のL, aおよびb値, 果肉歩合ならびに果実比重は低くなったが, 酸度は高くなった.長期間の有機物施用区では葉中の窒素, カリウム含量および葉色値が, 無施用区よりもわずかに大きかった.一方, 有機物施用区, 無施用区ともに窒素施用量が増えるのにつれて葉中の窒素含量と葉色値は高くなったが, 葉中のリン酸とカリウム含量は逆に低くなった.葉中窒素含量は, 果汁の糖度および甘味比, 果皮L, aおよびb値, 果肉歩合ならびに果実比重との間には負の相関を, 酸度との間には正の相関を示した.
- 園芸学会の論文
- 1998-09-15
著者
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