罹病性個体と抵抗性個体の単独栽培と混合栽培における病気の伝播のシミュレーションによる比較
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概要
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点伝染源からの病原菌胞子の飛散およびそれによる病斑の形成数yはy=aγe^<-ad>=βe^<δp> (d=up, δ=αu)により表わされる。ここでaは伝染源植物上の病斑数,γは伝染源植物上での病斑数の増加率,dは伝染源からの距離,αは伝播係数,pは伝染源からの植物数,uは植物間距離である。新病斑の形成が毎代この式に従って行なわれるものとして,コンピューターで縦横等間隔に罹病性品種と抵抗性品種を植えた圃場の中央に伝染源をおいた場合の病斑の増え方を調べた。δが小さいときは胞子が均一に飛ぶと考えた場合の抵抗性品種の混合による伝染速度を減ずる効果が表われるが,δが大きい場合にはこの効果は小さくなる。新病斑のみにより計算された伝染速度7はδが小さいとき罹病性個体の率の対数の減少に対して直線的に減少するが,δが大きくなると罹病性個体率の減少によりその効果が落ちる程度が大となり,直線の下降速度は減ずる(Fig.3)。すなわち抵抗性品種混合による病害の防除効果はδが大きい程小さくなる。δ=αuのためu(植物間距離)が大きい程抵抗性品種混合による伝染抑制効果は小さくなる。古い病斑まで含めた全病斑数により伝染速度を計算すると抵抗性品種混合状態での伝染速度は罹病性品種の混合率の対数の減少に対して下降して0に漸近する曲線を描きこの下降曲線の低下度はδが高い程減少する。
- 日本育種学会の論文
- 1976-06-01
著者
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