胚培養によるハクサイ照射胚の生存
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概要
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前報でカンランのガンマー線照射胚の培養により生存率を向上することが明らかにされたので,ハクサイにおいてもカンランの場合と同様の目的で高線量照射された胚を培養した。材料はハクサイの品種,花心,交配65日,改良千歳を用い,受粉後11日と13日目の球形胚と早期のハート形胚に60Coガンマー線10kR/日または20kR/日の線量率で20kRを照射した。胚培養は,受粉後16〜23日目(照射後4〜1O日目)に行ない,培養後34日目に調査した。照射当代の種子稔性および発芽率も調べた。種子稔性および発芽率は,10kR/日照射区のほうが20kR/日照射区より高かった。培養による胚の茎葉形成率および根形成率は,種子稔性および発芽率と同様に低線量率区(10kR/日照射)で高かった。照射胚の茎葉形成および根形成率に品種間差が認められ,改良千歳が最も率が高かった。照射区の胚は高い率で生存可能であるが,大部分はカルスで生き残った。結論として,ハクサイにおいてはカンランの場合に比較して培養による生存率向上の効果は小さかった。
- 日本育種学会の論文
- 1984-12-01
著者
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