酒米における心白評価への画像解析の適用

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酒造好適米を選定する際にはその品種のもつ心自重やその位置情報が必要となっている.本研究はヨ画像解析法を利用して客観的かつ精確に酒造好適米の心白を評価する方法を確立することを目的に行った.一本〆と五百万石を用いて粒内の心白程度(粒の断面積中に占める心白部分の面積の割合)を調査した結果,同じ品種内でも粒ごとに大きなばらつきがあることがわかった.一本〆と五百万;百の心自程度の平均値についてt検定で比較した結果,両者間で有意な差はなかった.しかしながら,粒を4つの領域に分割し粒内での心白位置情報を用いた比較では,明らかな品種間差が見られた.また,品種の持つ心白発現位置の特徴を顕示する標準画像の作成に成功した.本研究から画像解析による酒造好適米の心自評価は非常に有効であることが示された. しかし心自重を測定することは困難で,現状では熟練した杜氏の選眼が酒米評価に必要とされている.また,醸造用玄米の農産物規格では心自発現率(心自の有無)を重要視しており,心自重に関する評価は直接行なわれていない.この問題の解決のために視覚情報を客観的な数値データヘ変換する画像解析法を心自重の測定に応用することは非常に有効であると考えられる.一方,最近では安価で高性能なパーソナルコンピュータが供給され,操作の簡易なソフトウェアも流通しているので,以前と比べて画像処理,解析を容易に行える状況にある. 本研究では,画像解析法を利用して客観的かつ精確に酒米の心自重を評価する方法を確立することを目的とした.
日本育種学会の論文
1996-12-01

酒米における心白評価への画像解析の適用

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