欧州トレーサー実験に対する気象研究所長距離輸送モデルのパフォーマンスとその評価
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概要
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欧州トレーサー実験(ETEX)におけるトレーサー雲の輸送を予測するために、ECMWFの全球解析値及び気象庁の全球解析値を用いて二つのトレーサー実験シミュレーションを実施した。両方の結果をそれぞれ比較し、特定の観測点における実測濃度を用いて予測結果の統計的評価を行った。その結果、グローバル解析及び空間的解析では気象庁全球解析値を用いたランの方がECMWF全球解析値を用いたランより僅かに高いスコアと実測濃度との一致性を示した。しかし、時間的解析では評価する観測点によって統計スコアが異なるために、両者の優劣は付け難かった。両者の風の場の僅かな違いがトレーサー雲の輸送過程の違いを示したものと考えられる。トレーサー雲の進展に関しては両方のラン共、実測値と比較的良く一致した。今回のシミュレーションは降水を考慮しないドライランであるが、実際のトレーサー実験時は降水を伴っており、モデルの予測精度を高めるにはトレーサーの拡散や気象場に及ぼす降水の効果を考慮することが必要である。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1999-12-25
著者
-
佐々木 秀孝
気象研究所
-
佐藤 純次
気象研究所 環境・応用
-
佐藤 純次
気研, 環境・応用
-
佐々木 秀孝
気象研、環境・応用気象研究部
-
足立 万代
気象研究所
-
佐藤 純次
気研 環境・応用
-
佐藤 純次
気象研究所
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