ベルリン対流圏成層圏中間圏大気大循環モデルの1月固定長時間積分で得られた成層圏突然昇温のコンポジット解析

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成層圏と対流圏の力学的結合の基本的特性を明らかにするために、ベルリン対流圏成層圏中間圏大気大循環モデルの1月固定長時間積分データセットの7,200日分を解析した。特に、成層圏突然昇温現象に注目して解析した。7,200日間に64回の成層圏突然昇温現象が起こっているが、明瞭な周期性はない。それぞれの昇温現象は固有の力学的特徴があるが、成層圏の東西波数1成分および2成分の相対的強度を基準に二つのグループに分けてコンポジット解析を行なった。両グループのコンポジットはともに次のような突然昇温現象の一般的な特徴を示す:下部成層圏における帯状平均状態の「プレコンディション」状態、対流圏から成層圏への惑星規模波動の増幅の伝播など。プレコンディション状態では、極域での帯状平均温度が時間平均値より低く、平均帯状風は中高緯度でより強くなっている。しかし、突然昇温の前、最中、後で、成層圏のみならず対流圏でも両グループ間の力学的差異が見られた。波数1が卓越するグループでは、プレコンディション状態はより顕著であり、それが低い高度に限られる傾向がある。対流圏界面付近ではそのような状態が突然昇温後も持続する。他方、波数2が卓越するグループでは、突然昇温後に成層圏昇温の兆候が上部対流圏にまで降下する。
社団法人日本気象学会の論文
1999-04-25

ベルリン対流圏成層圏中間圏大気大循環モデルの1月固定長時間積分で得られた成層圏突然昇温のコンポジット解析

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