福岡県における農業用用水の水質とその経年変化 (<研究論文>収量予測・情報処理・環境)
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概要
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1996〜98年に福岡県内46地点で, 水稲の代かき期から登熟期に農業用用水の水質をみた. pHの全平均値は7.4で調査総数232の28%が農業用用水の基準値以上であった. EC(電気伝導率)の平均値は179μS/cmで全体の11%が基準値以上, COD(化学的酸素要求量)の平均値は6.4mg/Lで46%が基準値以上, T-N(全窒素)の平均値は2.3mg/Lで87%が基準値以上, T-P(全リン)の平均値は0.17mg/L, SS(浮遊物質)の平均値は18.4mg/Lで3%が基準値以上であった. 水稲へ生育障害を起こすとされるCODの8mg/L以上は27%, T-Nの5mg/L以上は4%あった. これらの値は近年に報告された他県での値よりも高い場合が多かった. 地域・時期別にみると, CODは筑後や飯塚・八幡地域で高く, T-Nは農村部の筑後地域が全時期を通して高く, 特に田植え期で高く, 代かきや施肥による用水路への流出を示唆した. CODはT-Pとの間の相関が高く, 有機物による汚染がP濃度の高い排水によっており, Pを含む排水の抑制が水質保全に重要と考えられる. 1986〜88年, 1991〜93年での調査結果と比較すると, pHは全体的に増加, ECは飯塚・八幡や筑後地域で値が依然と高く, CODはどの地域も増加傾向, T-Nは筑後以外の地域も増加傾向であった.
- 日本作物学会の論文
- 2001-06-05
著者
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