ダイズの矮性系統に関する研究 : 第1報ヒュウガ矮性系統の生育特性と遺伝様式について

概要

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ダイズにおける矮性形質の有益性を明らかにするため, 矮性突然変異系統であるヒュウガ矮性系統とその親系統であるヒュウガを供試し, いくつかの実験を行い, 以下の結果を得た. 1. ヒュウガ矮性系統では, ヒュウガに比べ, 主茎長, 茎重など量としての栄養生長は小さいが, 総節数など質的な差は認められなかった. 2. ヒュウガ矮性系統は, 葉の寿命の延長, 葉身の肥厚, 強勢下位分枝の確保, 高い粒茎比など物質生産, 分配に有利な特性を有していることが認められた. 3. 矮性形質の遺伝様式は1対の主働遺伝子に基づき, 正常型に対し単純劣性を示す. この遺伝子は地上部の形質において発現すると考えられる. 以上より, ヒュウガ矮性系統にはヒュウガに比べ, 乾物分配率, Harvest Index の向上がみられることから, これらの形質を活かす栽培方法を確立することにより, 高生産性が得られるものと推察された. さらに, 矮性形質の遺伝子源としても高い価値を持つと考えられる.
1988-09-05