暖地における水稲品種の物質生産に関する研究 : 第4報 本邦暖地品種と韓国新品種の子実生産特性の比較
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
In a previous paper, we suggested that the sink capacity, defined as the spikelet weight with the exclusion of grain per unit leaf area at harvest, was too low to allow further increase in grain yield of rice varieties cultivated in the warmer part of Japan. In this paper, we compare the characteristics of grain production among old and new types of cultivars growing in the warmer part of Japan and improved japonica-indica hybrid cultivars such as Milyang 23 and Yoo Sin. Milyang 23 showed higher yields, higher total dry matter production and higher harvest index in plots with standard and heavy nitrogen application (Fig. 1). In all cultivars used in this experiment the sink capacity and leaf area increased following heavy nitrogen application (Fig. 2). It was remarkable that both Korean cultivars had a larger number of spikelet per unit leaf area (49,000/m^2) as compared with the Japanese cultivars (37,000/m^2) (Table 1). This difference was ascribed to variations in the number of spikelets per ear between Japanese and Korean cultivars. The Korean cultivars showed a lower increase in leaf area and a higher increase in sink capacity in relation to nitrogen absorption during the period from transplanting to heading (Fig. 3). The sink/source ratio, representing the ratio of sink capacity to leaf area at heading, was much higher in both Korean cultivars than in the Japanese cultivars (Table 2). Among the Japanese cultivars the old types had a higher ratio because they had larger ear than the new types of cultivars (Table 2). Therefore, it is considered that the Korean cultivars can produce ears with higher sink capacity without displaying excessive leaf growth. As a result, the harvest index remained high when total dry weight increased following heavy nitrogen application (Fig. 1). The Korean cultivars, with short culm and large ears, showed two interesting feature, as follows; compared with the Japanese cultivars their sink/source ratio was higher than that of old types although they had the short culm of the new types of cultivars. However, since the Korean cultivars have several disadvantages related to taste and tolerance of disease and cold, it will be necessary to develop new cultivars showing with the advantages of the Korean cultivars, while minimaizing their shortcomings.
- 日本作物学会の論文
- 1984-03-05
著者
関連論文
- 水稲の登熟過程における穂重増加を支配する稲体要因の解析 : 第2報 穎花の同化産物受容効率に及ぼす出穂期貯蔵炭水化物の役割
- 水稲の登熟過程における穂重増加を支配する稲体要因の解析 : 第1報 穎花のシンク容量の成立に関与する稲体要因
- 68 イネ科C_3,C_4植物における気孔反応の日変化におよぼす環境および植物体内要因の影響
- 54 水陸両環境に生育するハリイ属の植物の光合成代謝特性と生態
- 西アフリカ諸国の稲作の展開に関係した社会的および気候的要因
- 休耕田の植生遷移に関する研究 : 第3報 土壌水分に対する数種イネ科植物の初期生長反応について
- イネ科C_3, C_4植物の生態と地理的分布に関する研究 : 第2報 極東および東南アジア地域におけるイネ科C_3, C_4植物の地理的分布について
- イネ科C_3, C_4植物の生態と地理的分布に関する研究 : 第1報 日本におけるイネ科C_3, C_4植物の分類ならびに気象条件による地理的分布
- 47 流量を変化させ同化箱内相対湿度を制御する方式を導入した光合成・蒸散の同時測定
- 水稲の子実生産に関する物質生産的研究 : 第2報 出穂期前における乾物生産力の品種間差
- 水稲の子実生産に関する物質生産的研究 : 第1報 出穂期前に貯蔵された炭水化物および出穂後の乾物生産が子実生産に及ぼす影響
- 46 イネ科植物の光合成および蒸散速度におよぼす環境要因の影響 : 第3報 野外におけるイネ科C_3,C_4植物の蒸散速度と維管束間距離の比較
- 45 イネ科植物の光合成および蒸散速度におよぼす環境要因の影響 : 第2報 水ストレスが水稲の光合成および蒸散速度におよぼす影響
- トウモロコシ個体群における吸光係数の構成要素としての単葉の光透過率と草型の検討
- 数種作物の太陽光利用率に関する研究 : 第1報 群落内光合成有効放射計の試作
- 水稲品種群にみられるシンク量とシンク/ソース比との関係
- 水稲個体群における一次生産力推定のための大型同化箱法について
- 群落光合成の半経験的評価法の改良 : 第2報 とくに水稲個体群植被内における光と個葉光合成の光飽和値P_の分布について
- 群落光合成の半経験的評価法の改良 : 第1報 とくに光-光合成曲線のとりあつかいかた
- ネピアグラスのメタン生産原料としての利用性
- 10 イネ科C_3,C_4植物の葉身における縦走及び横走維管束の分布密度について
- ネピアグラスの乾物生産に関する研究 : 第5報 収穫部各部の乾物収量の地域差
- ネピアグラスの乾物生産に関する研究 : 第2報 東京以南の6地域における乾物生産力
- 西南暖地における水稲品種の物質生産からみた深層追肥適用に関する研究
- 76 窒素に対する日本型及び印度型水稲の形態的,生理的反応 : 第2報 草型の特性からみた品種間差
- 75 窒素に対する日本型及び印度型水稲の形態的,生理的反応 : 第1報 乾物分配率からみた品種間差
- 70 深層追肥を通してみた西南暖地における水稲の物質生産
- 69 深層追肥を通してみた西南暖地における水稲の物質生産
- 45 寒地及び暖地水稲の品種特性に関する研究 : 第2報 Sink及び乾物生産量に注目して
- トウモロコシの物質生産に関する研究 : 第4報 個体群内部の光環境と群落吸光係数
- 暖地における水稲品種の物質生産特性について
- タイ国におけるキャッサバ改良品種Rayong 3の生育特性
- 99 キャッサバ接木植物によるSink Effectの評価
- 98 キャッサバにおける雨期と乾期の乾物生産特性の比較
- 110 キャッサバ苗の貯蔵中における変化について
- 109 キャッサバ苗の発芽力と関連した形質について
- 84 キャッサバの草型と乾物生産および収量性との関係
- 83 タイにおけるキャッサバ新品種、Rayong 3の乾物および地下部生産特性
- 暖地における水稲品種の物質生産に関する研究 : 第4報 本邦暖地品種と韓国新品種の子実生産特性の比較
- 暖地における水稲品種の物質生産に関する研究 : 第3報 本邦暖地品種と韓国新品種の乾物生産特性の比較
- 暖地における水稲品種の物質生産に関する研究 : 第2報 明治期以降の新旧品種の子実生産特性
- 暖地における水稲品種の物質生産に関する研究 : 第1報 明治期以降の新旧品種の乾物生産特性
- 水稲子実生産における"Sink-Source Ratio"の意義
- 39 乾物生産よりみたSink Activityの評価について : 水稲の場合
- 暖地における水稲品種の子実生産特性について
- 51 水稲個体群の草高の違いが群落光合成に及ぼす影響 : 数値実験
- 40 暖地における明治以降の水稲品種の物質生産に関する研究 : とくに,韓国水稲新品種と比較した子実生産特性について
- 39 韓国水稲新品種の収量および乾物生産特性について
- 作物の群落構造と物質生産 : 受光およびCO2拡散 (5) : グレインソルガムの草高が群落光合成に及ぼす影響
- 作物の群落構築と物質生産 : 受光およびCO2拡散 (4) : 葉の傾き,サイズおよび葉面積密度の垂直分布が群落光合成に及ぼす影響
- 作物の群落構造と物質生産 : 受光およびCO2拡散 (3) : 数種作物の群落構造とCO2拡散の構成要因
- 作物の群落構造と物質生産 : 受光およびCO2拡散(2) : 水稲および大豆個体群のCO2拡散係数ならびに群落光合成
- 作物の群落構造と物質生産 : 受光およびCO2拡散(1) : 水稲・大豆個体群における葉の表・裏面受光
- 58 圃場におけるグレインソルガムの個葉光合成特性
- 44 数種作物個体群における風速の減衰係数と抵抗係数
- 数種作物の太陽光利用率に関する研究 : 第4報 水稲および大豆個体群における葉層別太陽光吸収量の推定
- 大豆及び水稲個体群における葉の空間配置及び葉の表裏面受光
- 22 乾物生産よりみたSink Activityの評価について
- 数種作物の太陽光利用率に関する研究 : 第3報 水稲及び大豆個体群における光合成有効放射転換効率と構成呼吸及び維持呼吸の関係
- トウモロコシ個体群における吸光係数の構成要素としての単葉の光透過率と草型の検討 (日作紀43巻)
- 水稲の栽植密度と子実収量との関係
- イネ科C_3, C_4植物の生態と地理的分布に関する研究 : 第4報 世界におけるタケ亜科植物の地理的分布について
- 120 水陸両環境に生育するハリイ属(カヤツリグサ科)C_4植物の形態と光合成関連特性
- わが国暖地における水稲主要品種の栽植密度に対する反応について
- 東アジアにおける稲作の潜在的生産性と収量制限要因
- トウモロコシの物質生産に関する研究 : 第6報 数学モデルによる個体群光合成量の計算
- トウモロコシの物質生産に関する研究 : 第5報 個葉光合成能力と物質生産の関係
- トウモロコシの物質生産に関する研究 : 第3報 個体群光合成構成因子の生育に伴う変化とその相互作用
- トウモロコシの物質生産に関する研究 : 第2報 密植栽培が幼植物の物質生産に及ぼす影響について
- トウモロコシの物質生産に関する研究 : 第1報 初期生育に及ぼす種子重の影響
- 水稲の子実生産に関する物質生産的研究 : 第4報 出穂期における全炭水化物濃度の品種間差
- 57 イネ科C_3植物及びC_4植物の種分化に関する研究 : 第12報 中・南米におけるC_4種の分布とその推測される分化過程
- 56 イネ科C_3植物及びC_4植物の種分化に関する研究 : 第11報 インド亜大陸におけるC_4種の分布とその推測される分化過程
- 55 イネ科C_3植物及びC_4植物の種分化に関する研究。 : 第10報 西アフリカにおけるC_4種の分布とその推測される分化過程
- 第9集 わが国耕地における作物の生産力とその向上について : 暖地水稲多収穫へのアプローチ
- 酸素濃度が作物の光合成および生育におよぼす影響 : 第2報 光呼吸制御と葉面積展開との関係
- 酸素濃度が作物の光合成および生育におよぼす影響 : 第4報 明期と暗期の低酸素濃度が水稲, ヒメタイヌビエの生育と葉面積拡大におよぼす影響
- 水稲の子実生産に関する物質生産的研究 : 第3報 出穂期前における乾物生産力の品種間差異をもたらす要因の解析
- 水稲の子実生産に対する実肥の効果
- グリーン芝の生育に対するパーライトの効果に関する研究
- 牧草の夏がれに関する生理生態学的研究 : I. 気温および土壌水分がラジノー・クローバー, アルファルファーの成育ならびに耐早的性質に及ぼす影響
- イネ科C_3, C_4植物の生態と地理的分布に関する研究 : 第3報 インド亜大陸におけるイネ科C_3, C_4植物の地理的分布について
- 飼料作物の生育に関する研究 : 第5報 ラジノ・クローバーにおける刈取, 再生のくり返しと温度との関係
- 飼料作物の生育に関する研究 : 第4報 ラジノ・クローバーにおける器官形成と温度との関係, とくに非同化器官をめぐつて
- 飼料作物の生育に関する研究 : 第3報 ラジノ・クローバーにおける器官形成と温度との関係, とくに同化器官をめぐつて
- 飼料作物の生育に関する研究 : 第1報 ラジノ・クローバーの乾物生産と葉の生産とに及ぼす高温の影響
- 数種在来イネ科野草の生態特性と乾物生産 : I.ミヤコザサ群落の生育環
- 酸素濃度が作物の光合成および生育におよぼす影響 : 第3報 長期間の低酸素濃度処理が大麦の生育におよぼす影響
- 数種在来イネ科野草の生態特性と乾物生産 : III.ミヤコザサの冬芽ならびに新地下茎の形成に及ぼす日長の影響
- 数種在来イネ科野草の生態特性と乾物生産 : II.刈取りの時期および回数がミヤコザサ群落の乾物生産に及ぼす影響
- 牧草の乾物生産 : 第14報 気象生産力からみたオーチャードグラス草地の地域生産特性
- 牧草の乾物生産 : 第13報 立地を異にするオーチャードグラス草地の気象生産力の推定
- 休耕田の植生遷移に関する研究 : 第2報 休耕田におけるイネ科のC_3型およびC_4型雑草の生態的分布と土壌水湿との関係
- 休耕田の植生遷移に関する研究 : 第1報 福岡県北西部地域における休耕田の植生
- 通気法による個葉の光合成速度測定法に関する研究 : 第1報 桑葉の光合成速度と通気量, 炭酸ガス濃度落差および攪拌との関係について
- 430 バイオマス資源としてのC_4型植物の生産性
- S-6 イネ科C_3-C_4-植物における水ストレスに対する光合成の気孔伝導度の種間差に関する研究
- 48 イネ科C_3植物及びC_4植物の種分化に関する研究 : 第9報 属段階における分布を基にした考察
- 47 イネ科C_3植物及びC_4植物の種分化に関する研究 : 第8報 亜科及び族段階における分布を基にした考察
- 46 イネ科C_3植物及びC_4植物の種分化に関する研究. : 第7報 種段階における分布を基にした考察.