成人における口腔保健状態評価指標としての口腔年齢の応用
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概要
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口腔内状態の総合評価指標として, 神原らが開発・考案した口腔年齢指標が, 成人集団の評価として応用可能であるかを検索する目的で, 歯科保健事業を7年間継続して実施している某企業(調査対象者数延べ3, 422名)の歯科健診結果に応用し, 従来の歯科疾患量での評価との比較および継続受診者の経時的変化について検索した. その結果, 従来のDMFによる評価では7年間ほとんど変化が認められず, 歯科保健事業の効果を端的に明示することができなかったが, 口腔年齢で評価した場合, 初年度と比べ7年後の1999年度では明らかに歴年齢より口腔年齢が若くなっており, 本事業の効果が確認できた.さらに, 各健診年度に初めて受診した者と7年間継続して受診している者を比較した場合, 初回受診者の口腔年齢は歴年齢とほぼ同程度であったのに対し, 7年継続受診者の口腔年齢は歴年齢より若い状態で維持されており, 歯科保健事業を継続受診することの効果を明示することができた.また, 年齢群別では40歳未満の受診者は歴年齢と口腔年齢にほとんど差が認められなかったが, 40歳以上の受診者は歴年齢より口腔年齢の方が若く, 歴年齢と口腔年齢との差は年齢が高くなるほど大きい傾向が認められた.性別では, 男性のほうが女性に比べ歴年齢と口腔年齢の差は高年齢群になるほど大きかった. 以上の結果より, 口腔年齢指標は, 口腔内状況が平均以上であるか以下であるかについて, 集団および個人単位ともに簡便に判定することが可能であり, 保健対策を立てる上での参考となりうることがわかった.さらに, 年齢を単位として表現したことと, 口腔保健状態の改善によって口腔年齢が若くなることによって, 現在の口腔内状況を歯科関係者以外の人にも理解しやすく表現することが可能となった.
- 2000-12-25
著者
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