豚肉の品質による調理性の差異
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概要
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最近本邦において"むれ肉"といわれる肉質異常の肉豚が多発し,市場に相当量出廻っている。そこで,豚肉の品質による調理性の差異を,官能検査,客観的測定および組織検査により検討した結果(1)むれ生肉は色が白っぽく,肉質も柔らかく,粗く,浸出液が多いので,肉眼的に容易に識別することができる。組織学的にも,むれ肉では筋線維に空隙と変性がみられるなど,正常肉との差異は著しい。(2)むれ肉は加熱により肉汁を失い,身がかたくなる。この加熱による変化は組織学的にも立証できるが,正常肉との差は短時間加熱で著しく,長時間加熱するとあまり差はみられなくなる。(3)正常肉,むれ肉を用い,調理を行ない食味を比較したところ,焼き豚,肉団子,スープストックでは嗜好性に差が認められなかったが,ソテー,カツなどではむれ肉使用のものは非常にまずいことが判った。
- 1976-06-10
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