キシリトールを含むスポンジケーキの焼成過程
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概要
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キシリトールをはじめとする糖アルコール5種類及びショ糖を用いて,2種類の方法(共立て方と全材料混合法)でケーキバッターを調製し,170℃で30分間焼成した。糖の代替及びバッター調整法の違いと,バッターの性質や焼成過程の諸現象との関係を検討し,次の結果を得た。1.キシリトールを含むバッターは,比重が小さく含気率が高いことが示された。2.2種のバッター調整法ともに,バッターTpが高いと焼成中の生地の温度上昇が速く最高到達温度も高くなった。また両調整法共にケーキのスポンジ構造形成期間(収縮開始時間とバッターTpに対応する時間との差)とTpとの間には直線で近似できる負の相関関係があった。3.共立て法のバッターTpが概して高くなったことやデータ間の多少のずれを除き,焼成過程の諸現象に対して調整法による違いは小さかった。4.Tpとケーキの比容積の関係は,相関関係は高くない(0.74,0.75)ものの,90℃前後に最大値を持つような二次方程式で近似できた。以上のことからキシリトール単独使用のケーキはバッターTpが低いことが一因でケーキ比容積が小さいが,ラクチトールやマルチトール等を組み合わせてTpを上昇させることにより,比容積の増大が可能であることが示された。
- 2000-02-20
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