マメハモグリバエ成虫の野外における移動分散
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概要
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マメハモグリバエの多発したナスのハウス周辺に,黄色粘着トラップを等間隔で垂直方向と水平方向に設置し,マメハモグリバエ成虫の誘殺数を調べて,成虫の野外における空間的な移動分散の実態を明らかにした.1. 地上0.5mから5.5mの高さまで0.5m間隔で設置した黄色粘着トラップに誘殺された成虫数は,高度が低いほど多く,1m以下のトラップに総誘殺数の54.6∼76.0%が誘殺された.また,高度5.5mのトラップにもわずかであるが誘殺が認められた.2. 発生源ハウスから水平方向に東方48m及び西方25mまで5m間隔で並べた黄色トラップに誘殺された成虫数は,東西両方向ともにハウスに近いほど多く,ハウスからの距離の増加にともない減少した.また,風下の東方向の方が風上の西方向より誘殺数は多い傾向がみられた.3. 黄色トラップに誘殺された成虫の性比は有意に雄に偏っており,その雌比は垂直方向のトラップでは9.4%から31.7%,水平方向のトラップでは9.1%から29.9%であった.4. 黄色トラップに誘殺された成虫の性比と,トラップの設置場所の高度または発生源からの水平距離との間には,有意な相関関係は認められなかった.5. 黄色トラップによる誘殺数が多いほど,誘殺された成虫の雌比が低くなる傾向が認められ,誘殺数と性比との間には有意な相関関係が認められた.
- 1999-02-25
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