各種殺虫剤に対するコナガの抵抗性スペクトル
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概要
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各地域個体群の各種薬剤に対する感受性を4齢幼虫を用いた局所施用法によって検定し,次の結果を得た。1) 感受性系統(日農系)に対する殺虫力はピレスロイドが最強で,次いでcyanofenphos, dimethylvinphos, methidathionなどの有機リン剤であった。有機リン剤の殺虫力は薬剤間で違いが大きかった。methomyl, cartap, thiocyclam, DDTは中程度の殺虫力であった。2) ピレスロイド感受性は,那覇個体群で若干低かったほかは高かった。cartapとthiocyclamに対する感受性低下が認められたが,その程度は10倍以下であった。3) 31個体群の有機リン剤とmethomylに対する抵抗性レベルは個体群間で著しく異なったが,抵抗性発達の程度から供試個体群は五つに類別された。各グループの抵抗性パターンは互いに類似しcyanofenphos, prothiofos, cyanophos, isoxathionには高度の抵抗性を示したが,dimethylvinphos, methidathion, profenofosに対する抵抗性比は低かった。4) 有機リン剤抵抗性発達程度は北海道で低く,九州南部,沖縄で高かった。その間の地域ではさまざまであったが,中程度の抵抗性は北海道を除く各地で確認された。5) 有機リン剤抵抗性レベルの年次変動は同一地域で季節的に同じ頃採集した個体群間では小さかった。一方,札幌,嬬恋(群馬),横田(島根)では抵抗性レベルの季節的変動がみられ,春∼初夏に低く,秋に高まった。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1986-11-25
著者
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