核多角体病ウイルスに感染したモンシロドクガ脂肪体細胞の電子顕微鏡観察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
モンシロドクガ核多角体病ウイルスと他の核多角体病ウイルス(NPV)間における顕著な差は,被膜内nucleocapsid数に見られた。本ウイルスのnucleocapsid束は1∼39本より構成されており,最高ひん度は7本であった。1, 4, 10, 12, 16, 19, 21および24本のnucleocapsidを内蔵する被膜は,そのひん度分布において特徴的な小ピークを示した。6角形の輪郭を示すnucleocapsidの規則的配列が,多数のnucleocapsidを内蔵する被膜や無被膜nucleocapsid集団の横断面に観察された。nucleocapsidは桿状を呈しており,直径約40nm,長さ約350nmであった。3角形あるいは不規則ないびつ形を示す多角体の大きさは1∼3μであった。まれに2個の結合多角体が核内に観察された。NPV感染Trichoplusia niにのみ観察されているmembrane-like profileが,fibril構造に関連して宿主細胞内に認められた。本ウイルスの成熟過程において,多くのウイルス粒子がfibril構造塊と密接に平行して認められた。しかしながらウイルスは,fibril構造内にまったく認められなかった。核内増殖に類似する本ウイルスの増殖が,感染脂肪体細胞の細胞質に観察された。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1975-03-25
著者
関連論文
- Two Cases of Cutaneous Myiasis due to Dermatobia hominis (Diptera, Cuterebridae) Imported into Japan
- 239 輸入ヒトヒフバエ症の 2 症例
- 28 ハマベバエの形態と室内飼育実験
- 8 豊橋市内で見られたハマベバエの発生例
- イカ精莢による口腔内刺傷例
- 46 イカのハラワタの誤食による口腔内刺症の一例
- イネミズゾウムシの個体群動態と平衡密度
- 13 ドクガの生物学的防除に関する研究 : 2. ドクガの核多角体病ウイルスの成熟過程について
- ドクガおよびクスサン核多角体病ウイルスの成熟過程
- フキを加害するウスグロハナアブの生態
- 11 名古屋市内の野鼠寄生恙虫について : (3) 昭和 58-60 年度調査成績の総括
- 蚊の唾液腺のヒスタミンおよびエステラーゼについて
- 12 蚊の唾腺の起炎性物質に関する研究 : II 虫体ならびに唾腺抽出物の高速液体クロマトグラフイーによる分析
- 8 名古屋市内の野鼠寄生恙虫について (1)
- 35 名古屋市内の野鼠寄生恙虫について (2)
- 81 愛知県下の恙虫および恙虫病リケッチアに関する研究(続報)
- 13 蚊の唾腺の起炎性物質に関する研究 : I. 唾腺抽出物の薬理作用と唾腺の組織化学的検討
- 27 愛知県下の野生小哺乳類の外部寄生虫について
- 自ら経験したヤマカガシ頸腺毒による眼障害
- イネミズゾウムシの被害解析 : II. 成虫および幼虫による被害と被害許容密度の推定
- イネミズゾウムシの産卵・ふ化に及ぼすdiflubenzuron の影響
- イネミズゾウムシの被害解析 : I. イネの生育ならびに収量に及ぼす成虫放飼密度の影響
- 94 愛知県の恙虫および恙虫病リケッチアに関する研究
- 56 恙虫の形態学的研究 : II. 若虫の消化器系の内部構造
- 26 恙虫の形態学的研究 : I 消化器系の内部構造について
- 3種害虫によるフキの被害調査
- カイコの細胞質多角体病ウイルスの微細構造について
- 24 PH 60-40 の作用機構に関する病理学的検討
- 15 実験動物用固型飼料に由来するシラミダニ皮膚炎の集団的発生例
- コナガ顆粒病ウイルスのマルピギー管における増殖 : コナガ顆粒病に関する研究 第2報
- コナガ顆粒病ウイルス感染に伴う細胞の変化とNUCLEOCAPSIDの出現部位 : コナガ顆粒病ウイルスに関する研究 第1報
- 15 ヒロヘリアオイラガの有毒毛と毒素
- ネズミマラリア原虫に関する研究-1-不連続密度勾配液による原虫感染赤血球とメロゾイトの分離精製法
- 91 ドクガ類毒素の酵素の性状 II. : 合成基質による serine protease 活性の比較
- 24 ドクガ類毒素の酵素の性状 : I. 至適条件を中心とした比較検討
- 12 アカイエカの細胞間橋の微細構造について
- 21 ゴキブリの病理学的研究 : 第 6 報新たに見出されたウイルス様粒子について
- 82 ゴキブリの病理学的研究 : 第 8 報 Parvovirus の増殖過程
- ゴキブリウイルスに対するクロゴキブリの感受性について
- ゴキブリの病理学的研究 : I. クロゴキブリにおける潰瘍病変の発生
- 2 社会的行動を中心にして
- 昆虫発育制御剤 4-phenoxyphenyl(RS)-2-(2-pyridyloxy)propyl ether (pyriproxyfen) のネッタイシマカ Aedes aegypti 幼虫に対する作用の組織病理学的検討
- 4 JH 様化合物 S-31183 の作用機序に関する組織病理学的検討
- 103 演者自ら経験したヤマカガシ頸腺毒による眼障害
- 18 ゴキブリ病原性ウイルスの細胞系での感染能について
- 119 ゴキブリ病原性ウイルスの細胞系での感染能について 2
- 85 世界の主要な有毒鱗翅類の有毒毛の形態と分類について
- 有毒鱗翅類毒針毛に関する研究 : 第 3 報アオイラガ毒棘・毒針毛の形態と毒素, とくに発痛物質について
- 有毒鱗翅類毒針毛に関する研究 : 第 2 報ドクガ毒針毛の毒素について
- 核多角体病ウイルスに感染したモンシロドクガ脂肪体細胞の電子顕微鏡観察
- 81 ゴキブリの病理学的研究 : 第 7 報腸内寄生線虫の寄生状況と潰瘍病変の発生について
- 70 有毒鱗翅類毒針毛に関する研究 : 第 8 報タケノホソクロバ毒棘の内部形態
- 58 ゴキブリの病原性ウイルスに関する研究 : III ウイルス核酸および蛋白質について
- 84 有毒鱗翅類毒針毛に関する研究第 7 報 : アオイラガ有毒毛の超微形態について
- 6 単為生殖系フタトゲチマダニの愛知県下における異常発生例
- 3 有毒鱗翅類の有毒毛と毒素について(動物毒)
- 19 ゴキブリの病原性ウイルスに関する研究 : 1. 生物学的性状
- 18 ゴキブリの病理学的研究 : 第 5 報後腸の潰瘍病変とウイルス病変の比較
- 30 ゴキブリの病原性ウイルスに関する研究 : II. ウイルスの精製と抗血清の作製
- 28 有毒鱗翅類毒針毛に関する研究 : 第 6 報毒素の薬理的・生化学的作用について
- 24 有毒鱗翅類毒針毛に関する研究 : 第 4 報ドクガ毒針毛形成細胞と毒素の分泌について
- 13 ゴキブリの病理学的研究 : 第 2 報潰瘍病変の発生について(続報)
- 11 有毒鱗翅類毒針毛に関する研究 : 第 5 報粗毒の薬理作用について
- 7 ゴキブリの病理学的研究 : 第 4 報病原性ウイルスの分離
- 6 ゴキブリの病理学的研究 : 第 3 報潰瘍病変の電子顕微鏡観察
- 11 有毒鱗翅類毒針毛に関する研究 : 第 2 報. 毒針毛の走査電顕像 (続報)
- 36 有毒鱗翅類毒針毛に関する研究 : 第 3 報. ドクガ毒針毛の微細構造について
- 353 ゴキブリの腫瘍様病変について(一般講演)
- 7 有毒鱗翅類毒針毛の走査電顕像
- 89 ゴキブリの腫瘍様病変, 特に肛門閉塞による腫瘍様病変の形成
- 緑きょう病菌によるハスモンヨトウのほ場感染と死亡個体に発育した菌の形態