習熟度別学習指導の効果をたしかめるための評価法の開発 : とくに、習熟度別に関する類別段階における評価の観点について
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概要
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習熟度別学習指導における評価段階には、次ぎの3段階が考えられる。A段階 : クラスの類別過程(診断的評価)B段階 : 学習指導過程(形成的評価)C段階 : 到達度評価過程(総括的評価)従来の習熟度別学習指導は一斉授業の補完過程としての位置づけが多く、評価はC段階で同一問題を出題し、生徒の問題解決力の速さ・量や技能の習熟度を学習効果の評価としていた。このような評価方法を「量的な評価」とよぶ。われわれの研究目的は新学力観の立場にたって、習熟度別学習指導の再構築を図り、学習効果の評価を量的でなく「質的な評価方法の開発」によって、「個人差に対応」する多様な評価を考えようとするものである。研究方法 : 診断的評価段階で、「生徒の数学的個性」を発見する試みとし、(1)習熟度状況を結果ではなくて、思考過程を重視する評価方法(2)学習に主体的に取り組むための自己教育力を重視する測定方法(3)学習体験を他に転移できることで能力を重視する測定方法を実施。その結果(1)SP表を利用し、注意係数による類別を試み、グループ別に思考過程の分析。(計算力調査)調査対象校;千葉県立白井高等学校、品川区立八潮中学校(2)学習計画の立案結果の分類、グループごとの特性分析(行列の処理)第5回授業研究会(平成10年6月20日)聖徳学園中学・高等学校対象学級(中学3年、高校2年)(3)新教材に対する類型認知の特性の分析・調査(関数のグラフ)第6回授業研究会(平成10年10月24日)東京女子学院中学高等学校、対象学年(中学1年)今後の課題 : 1.A段階で「個人差に応じた」思考過程・学習タイプを分析する評価2.1に応じた指導法の開発のため、B、C段階の評価を系統的かつ多様化した評価法を提言したい。
- 東京理科大学の論文
- 1999-04-10
著者
-
長野 東
東京理科大学数学教育研究会
-
長野 東
東京理科大学
-
西村 大路
東京理科大学大学院理学研究科理数教育専攻
-
宮部 智哉
東京理科大学数学教育研究会習熟度別学習指導法開発研究プロジェクトグループ
-
西村 大路
東京理科大学大学院理数教育専攻
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