攣縮性斜頸患者の頸部動作にともなう筋活動パターンと筋電図反応時間

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攣縮性斜頸では,頸部の異常姿勢に加えて頸部動作に障害をきたすこともある。今回は,攣縮性斜頸患者の頸部動作が障害される様相を検討するため,連続10回の頸部回旋動作時における頸部筋の筋活動パターンを表面筋電図を用いて評価した。対象は安静時の頸部姿勢が回旋偏倚,もしくは頸部動作が困難な攣縮性斜頸患者8名とした。連続頸部回旋動作時の筋活動パターンは,一貫して良かった症例2名,悪かったパターンが改善した症例2名,一貫して悪かった症例3名,悪化した症例1名の4通りに分けられた。対象症例のうち1名について,鍼治療経過中における右回旋動作時の筋活動パターンおよび反応時間の変化を3ヶ月の期間をあけて比較し,鍼治療効果を検討した。初回検査時は主動作筋である左胸鎖乳突筋に筋活動が認められなかったが,3ケ月後には筋活動の出現を認め,筋活動パターンは改善傾向を示した。また,3ヵ月後には反応時間のうちPMTに改善を認めたがMTには変化を認めなかった。本研究の結果,頸部回旋動作を連続しておこなうことが頸部筋の筋活動をかえって悪化させる場合もあり,自主的な運動を指導する際は,その可否を検討したうえでおこなう必要があると考えられた。表面筋電図を用いて頸部回旋動作時の筋活動パターンと反応時間を検討することは,攣縮性斜頸患者の臨床像を把握し,鍼治療効果を検討するための有効な指標となることが示唆された。
関西鍼灸大学の論文
2001-09-30

攣縮性斜頸患者の頸部動作にともなう筋活動パターンと筋電図反応時間

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