下肢随意運動時における上肢脊髄神経機能の興奮性変化 : 脳血管障害片麻痺患者及び健常者における検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
今回我々は,脳血管障害片麻痺患者5名と健常者4名を対象に,下肢随意運動時における麻痺側上肢脊髄神経機能の興奮性変化を脊髄神経機能の興奮性の指標であるH波を用いて検討した。運動課題は,股関節屈曲30°での記録側と反対側SLR位他動的保持(課題1),股関節屈曲30°での記録側と同側SLR位他動的保持(課題2),股関節屈曲30°での記録側と反対側SLR位空間保持(課題3),股関節屈曲30°での記録側と同側SLR位空間保持(課題4)とした。H波導出の刺激条件は,刺激強度をM波出現閾値の1.2倍,刺激頻度を0.3Hz,持続時間を1.0msとして,手関節部正中神経を連続10回刺激した。導出したH波から振幅H/M比について分析した。健常者では,安静時と比較して各課題の振幅H/M比に有意な差は認められなかった。脳血管障害片麻痺患者では,課題4で有意に増加した(p<0.05)。この結果,脳血管障害片麻痺患者において,麻痺側SLR位空間保持時に麻痺側短母指外転筋に対応した脊髄神経機能の興奮性が増加することが示唆された。
- 関西鍼灸大学の論文
- 2001-09-30
著者
-
大工谷 新一
岸和田盈進会病院リハビリテーション部
-
鈴木 俊明
関西鍼灸短期大学神経病研究センター
-
谷 万喜子
関西鍼灸短期大学神経病研究センター
-
嘉戸 直樹
榊原白鳳病院リハビリテーション科
-
鍋田 理恵
関西鍼灸短期大学神経病研究センター
-
若山 育郎
関西鍼灸短期大学神経病研究センター
-
岩永 優子
榊原白鳳病院リハビリテーション科
-
大工谷 新一
関西鍼灸学園専門学校理学療法学科
-
若山 育郎
関西医療大学神経病研究センター
-
岩永 優子
榊原白鳳病院リハビリテーション科:関西鍼灸短期大学附属診療所研修理学療法士
-
谷 万喜子
関西鍼灸短期大学東洋医学臨床教室
-
鍋田 理恵
関西鍼灸大学
-
鍋田 理恵
関西鍼灸短期大学東洋医学臨床教室
-
鍋田 理恵
関西鍼灸大
-
若山 育郎
関西医療大学 神経病研究センター
-
谷 万喜子
関西医療大学保健医療学部臨床理学療法学教室:関西医療大学神経病研究センター
-
若山 育郎
関西鍼灸短期大学東洋医学臨床教室
関連論文
- 特定保健指導分野(新しい職域の中でいかに理学療法アプローチを確立するか〜理学療法士の専門性とは〜,シンポジウムII,近未来に向けての理学療法〜理学療法アプローチの確立〜,第45回日本理学療法士協会全国学術研修大会)
- 膝伸展疲労課題中の内側広筋斜頭および長頭の機能に関する筋電図学的検討
- 骨盤肢位の違いとレッグエクステンション中の大腿四頭筋の筋活動
- 1. 膝前十字靱帯再建術後の機能評価指標としてのヒラメ筋サイレントピリオドとH反射(神経・感覚,一般口演,第63回日本体力医学会大会)
- 1515 立位における急速な上肢挙上運動中の姿勢制御(理学療法基礎系,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 846 健常者における着座動作開始時の姿勢制御について : 足底圧中心前後方向軌跡と表面筋電図による分析(理学療法基礎系,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 176 肩関節の疼痛によりサイドスロー投法は困難だがアンダースロー投法は可能であった投手について(骨・関節系理学療法,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 82 ヒラメ筋から記録されるサイレントピリオドとH反射は膝前十字靭帯再建術後の機能評価指標になり得るか?(骨・関節系理学療法,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 18. 膝前十字靭帯再建症例におけるヒラメ筋のH反射とサイレントピリオドの変化(神経・感覚,第62回日本体力医学会大会)
- 1228 健常者の立位における上肢挙上時の足底圧中心軌跡のパターン分類(理学療法基礎系40, 第42回日本理学療法学術大会)
- 619 表面筋電図による着座動作分析 : 下部体幹筋群と膝関節周囲筋に着目して(理学療法基礎系28, 第42回日本理学療法学術大会)
- 616 座面の高さが起立動作の各相の筋活動に及ぼす影響(理学療法基礎系28, 第42回日本理学療法学術大会)
- 549 コッキング期に投球側肘関節の屈曲が乏しく、右打者内角球の球威が得られなかったアンダースロー投手(理学療法基礎系22, 第42回日本理学療法学術大会)
- 238 術後リハビリテーション期間においてヒラメ筋サイレントピリオド中に長潜時反射様の応答がみられた膝前十字靭帯再建術後バスケットボール選手の一症例(骨・関節系理学療法3, 第42回日本理学療法学術大会)
- アンダースロー投法の動作分析--「動作中の関節運動が持つ意義」に着目して
- 723 走速度変化における体幹回旋運動の時系列解析(理学療法基礎系20,一般演題ポスター発表,理学療法の可能性,第41回日本理学療法学術大会)
- 投球動作ワインドアップ期の安定性と制球力の関係について--体幹傾斜角度の変動に着目して
- 763 ステップ肢位における支持側足部内反筋群の筋積分値および足底圧分布(骨・関節系理学療法XI)
- 37 静止立位保持中のヒラメ筋より導出されるLLRの再現性 : 下腿三頭筋の収縮課題前後における検討(理学療法基礎系III)
- 立位での一側下肢挙上動作における足底圧中心軌跡と下肢筋筋活動の立ち上がり潜時ついて : テーピングによる横足根関節可動域制限の有無における検討
- 関西理学療法学会 座談会 私が大切にしている基礎理論 (特集 臨床における理論的背景)
- 医療法第42条施設におけるサービスクオリティ改善のための実践研究
- 652. スクワット中の外側広筋過活動と下肢筋活動との関係(リハビリテーション・運動療法,一般口演,第63回日本体力医学会大会)
- 682. ACL再建術後における競技復帰の許可基準について : 疲労の身体機能や動作能力への影響(リハビリテーション・運動療法,一般口演,第63回日本体力医学会大会)
- 17. 膝関節屈曲角度と体幹前傾角度を変化させた構え姿勢におけるCOPの変動(第22回日本体力医学会近畿地方会)
- 1446 疲労が身体機能や動作能力に及ばす影響 : 上肢の運動課題での検討(骨・関節系理学療法,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 1394 構えからのステップ動作開始時における足圧中心位置の変化と下肢筋活動について : ステップ動作時の下肢アラインメントの違いによる検討(骨・関節系理学療法,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 937 後足部アラインメントと足関節底屈筋群の筋活動との関係 : 片脚カーフレイズにおける検討(骨・関節系理学療法,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 103 片脚立位時の後足部アラインメントと下腿筋の筋活動の関係(骨・関節系理学療法,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 86 膝前十字靭帯再建術後の脊髄神経機能評価指標としてH反射を用いた二症例(骨・関節系理学療法,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 膝屈曲位での動作で疼痛が生じていた内側半月板損傷の一症例
- 第7回関西理学療法学会症例研究学術大会 大会長賞論文 関節運動へのアプローチにより立位での底屈時の疼痛が改善したバレリーナの一症例
- 症例報告 膝関節伸展筋力の発揮に着目した半月板損傷術後の一症例
- 腹筋群の等尺性収縮と棘上筋の筋活動との関係
- 396. 医療法42条施設における運動効果の検証 : 血液検査数値の変化に着目して(生活・健康,第62回日本体力医学大会)
- 競技復帰後に反対側のACL損傷を受傷した女子バスケットボール選手の一症例
- 506 足関節背屈運動軸の変位は底背屈運動の切り返しを遅延させる(理学療法基礎系20, 第42回日本理学療法学術大会)
- 症例報告 人工膝関節全置換術後の理学療法の効果について--重心動揺計を用いた評価
- 症例報告 大腿直筋肉ばなれ後の鍼パルス刺激による早期スポーツ復帰の一症例
- 診療報酬改定に対する新たな試み--医療法42条施設を利用したリハビリテーションシステムの確立
- TFCC損傷に対する理学療法--テニスにおけるグリップ動作を中心に
- 国際生活機能分類からみたリハビリテーション
- 健常者における上肢挙上時の姿勢制御について--立位時の足底圧中心による検討
- マネジメント--個人のスキルアップの視点から (特集 マネジメント)
- 足関節背屈制限に対する理学療法 (特集 私のすすめる治療法)
- 関西理学療法学会 平成17年度研究助成論文:足底圧中心変化に伴う足部周囲筋の筋積分値相対値変化
- 評価における統合と解釈 (特集 問題点の予測)
- 1006 トルク波形を用いた運動技能評価の試み : トルク逸脱量の算出による検討(理学療法基礎系45)
- 走速度およびストライドの変化が膝関節への力学的負荷に及ぼす影響
- 関西理学療法学会 座談会 問題点を予測する (特集 問題点の予測)
- 片脚立位時における骨盤運動と下肢筋活動について--支持脚足部外側ウェッジの有無と非支持脚股関節屈曲角度変化による検討
- 臨床実習の総合評価に影響を及ぼす要因に関する研究
- サイレントピリオド記録の再現性に関する研究 : 同一測定日における検討
- 民間フィットネスクラブで習慣的に運動を実施する中高年者の運動継続因子に関する研究 : 運動参加状況による比較
- 中高年者の運動アドヒアランスに影響する因子に関する研究 : 民間フィットネスクラブ1施設における検討
- 姿勢・筋緊張異常の検査・測定
- 症例報告 足関節ギプス固定後の足関節前面の痛みおよび荷重時の足関節背屈制限に対する皮内鍼治療
- 脳血管障害片麻痺患者の下肢随意運動が非麻痺側上肢脊髄神経機能に与える影響
- 攣縮性斜頸患者の連続頸部回旋動作における筋電図パターン変化 : 障害度の異なる2症例での比較検討
- 腹臥位での膝関節伸筋群の等尺性収縮時における体幹筋筋活動について : 膝関節屈曲角度と収縮強度の変化による比較(運動学)
- 片脚立位における足部外側ウェッジの有無と挙上側股関節屈曲運動による骨盤運動と下肢筋活動について : 表面筋電図・三次元動作解析による検討(運動学)
- 電気刺激によって生じた筋疲労と誘発筋電図M波,H波の関係(運動・神経生理)
- 第15回(第8回女子)世界テコンドー選手権トレーナー帯同報告
- 皮質下と関節運動制御 (特集 関節運動の再検証)
- 下肢随意運動時における上肢脊髄神経機能の興奮性変化 : 脳血管障害片麻痺患者及び健常者における検討
- 318 膝関節伸筋群の等尺性収縮時における体幹筋の筋活動について : 運動時の肢位の違いによる比較
- 140 車椅子移乗介助動作におけるアームレストとレッグサポートの脱着と介助者の姿勢負荷の関係
- 97 踵骨外反角度の変化における片脚立位時の膝・股関節周囲筋の筋活動に与える影響について
- 87 後十字靭帯再建術を施行したテコンドー競技選手への理学療法 : 術後管理に対する表面筋電図評価の応用
- 下肢の随意運動が上肢脊髄神経機能の興奮性に与える影響 : 脳血管障害片麻痺患者1症例における検討
- 攣縮性斜頸患者の運動療法と表面筋電図学的効果検討
- 206 攣縮性斜頸患者の運動療法に関する一考察(神経・筋疾患)
- 181 立位および片脚立位保持における視覚情報の有無と下腿三頭筋サイレントピリオドの関係(運動・神経生理)
- 108 外反母趾角と下腿三頭筋の等速性筋力との関係について(運動学)
- 78 前足部回内可動性と片脚立位における踵骨の外反角度、下肢筋・脊柱起立筋の筋活動の関係について(運動・神経生理)
- 73 M波振幅と刺激頻度, 関節運動の関係 : 前脛骨筋における検討(運動・神経生理)
- 臨床にいかす動作分析(6)機器を用いた運動解析と動作分析--動作分析と表面筋電図を用いた運動解析の関連性
- 10 立位・片脚立位時の下肢筋活動と足部回内可動域の関係 : 表面筋電図による検討
- 5 脳血管障害患者の麻痺側肩関節周囲筋の持続的筋伸張が母指対立筋H波に与える影響
- 370. 前足部の運動制限が歩行中の同側腰部脊柱筋および下肢筋の筋活動に及ぼす影響
- 62. 敏捷性訓練が神経筋機能に与える影響に関する電気生理学的検討
- 61. 下腿三頭筋の等尺性収縮が同側上肢の長潜時反射(LLR)の反応性に与える影響 : 収縮度変化の検討
- 57. 筋疲労とM波の関係 : 最大下等尺性収縮維持による検討
- 53. 手指の他動運動が脳血管障害片麻痺患者のSEPに与える影響 : 感覚障害の有無における検討
- 299.動作時下肢アライメントが膝関節周囲筋群の筋活動に与える影響
- 116.導出法の違いが筋電図反応時間測定値に与える影響 : 単極および双極導出法による筋電図出現の検討
- 91.脳血管障害片麻痺患者に対する持続的筋伸張の効果 : 神経学的所見とH波との関係
- 刺激強度の変化が長潜時反射 (LLR) の反応性に及ぼす影響
- サイレントピリオドと等尺性収縮度の関連性 : 下肢における検討
- 371. 等速性筋力強化訓練の効果に関する電気生理学的検討
- 87. 椅坐位における脊柱起立筋の活動について : 表面筋電図による検討
- 84. 脳血管障害片麻痺患者における持続的筋伸張が脊髄神経機能の興奮性に与える影響
- 83. 姿勢変化が長潜時反射(LLR)の反応性に与える影響について
- 81. II・III指での交互タッピングが大脳皮質機能に与える影響 : 短潜時体性感覚誘発電位における検討
- F波出現を認めなかった脳血管障害片麻痺患者の神経生理学的特性
- 荷重肢位と中枢神経機能の関係について : 上肢での誘発筋電図における検討
- 21.単極導出法と双極導出法による表面筋電図について : 積分処理・周波数分析における検討
- 擬似単極導出法による動作筋電図特性
- 20. 長潜時反射(LLR)の検査条件に関する検討 : 刺激頻度・刺激持続時間について
- 19. 立位姿勢の変化と中枢神経機能の関係について : サイレントピリオドにおける検討