<原著>重度の閉口障害を認めた開口ジストニア患者に対する鍼治療効果の検討
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概要
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重度の閉口障害を呈し,薬物療法やMAB療法に抵抗した開口ジストニア患者に対して,週に1回5ヶ月間継続して鍼治療をおこなった。症例は,平成12年4月に開口状態が持続するようになり発症した53歳,女性である。内服,点滴治療やMAB療法をおこなったが,安静時の開口状態に改善が認められず,平成13年2月より鍼治療開始となった。口腔周囲の症状について,(1)安静時の開口内径,(2)閉口指示から閉口までの所要時間,(3)閉口持続時間の3点から評価した。初診時,(1)5〜5.5cm,(2)平均11.6秒,(3)平均70秒であった。鍼治療は口腔周囲の全体的な不随意運動に対して督脈経の百会穴,舌の不随意運動に対して,足少陰腎経の復溜穴,手少陰心経の神門穴に置鍼をおこなった。長期的な開口状態持続によって生じたと考えられる顎から前頸部にかけての皮膚短縮の改善を目的に,同部位に集毛鍼刺激をおこなった。治療開始4ヶ月目に(2)は7.5秒と改善を認めたが,(3)は78.5秒と改善が不十分であった。閉口動作時の表面筋電図波形分析の結果,左咬筋の筋活動が不十分であったため,左咬筋の筋活動促通を目的に従来の鍼治療に左衝陽への置鍼を加えた。その結果鍼治療開始5ヶ月目に(2)は5.3秒,(3)は148秒と改善した。重度の閉口障害を呈した開ロジストニア患者に対して,循経取穴と,閉口動作の表面筋電図に基づいた鍼治療をおこなうことで高い効果が得られることが示唆された。
- 関西鍼灸大学の論文
- 2002-09-20
著者
-
鈴木 俊明
関西鍼灸短期大学神経病研究センター
-
谷 万喜子
関西鍼灸短期大学神経病研究センター
-
若山 育郎
関西鍼灸短期大学神経病研究センター
-
高田 あや
関西鍼灸短期大学附属診療所
-
飯塚 朋子
関西鍼灸短期大学附属診療所
-
八瀬 善郎
関西鍼灸短期大学神経病研究センター
-
若山 育郎
関西医療大学神経病研究センター
-
若山 育郎
関西鍼灸大学
-
八瀬 善郎
関西医療大学神経病研究センター
-
高田 あや
森整形外科
-
谷 万喜子
全日本鍼灸学会安全性委員会
-
高田 あや
関西医療大学附属診療所研修鍼灸師
-
高田 あや
跡部鍼灸院
-
谷万 喜子
関西医療大学 保健医療学部臨床理学療法学教室
-
谷 万喜子
関西鍼灸短期大学東洋医学臨床教室
-
飯塚 朋子
Trainee Acupuncturist Outpatient Clinic Kansai College Of Oriental Medicine
-
谷 万喜子
関西医療大学保健医療学部臨床理学療法学教室
-
若山 育郎
関西医療大学 神経病研究センター
-
谷 万喜子
関西医療大学保健医療学部臨床理学療法学教室:関西医療大学神経病研究センター
-
若山 育郎
関西鍼灸短期大学東洋医学臨床教室
-
若山 育郎
関西鍼灸短期大学 神経病研究センター
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