関西鍼灸短期大学における攣縮性斜頸患者の鍼治療の現状とその効果検討

概要

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関西鍼灸短期大学神経病研究センターでは,1995年2月から本学付属診療所において攣縮性斜頸患者への鍼治療をおこなっている。鍼治療前に神経学的評価としてTsui(変法)スコア,関節可動域評価,疼痛評価,日常生活活動評価,自覚的症状評価をおこない,筋電図学的評価として安静時,頸部運動時の動作筋電図評価をおこなった。これらの評価から,本疾患の一次的障害である罹患筋の過剰収縮もしくは収縮不全や不随意運動,また二次的障害としての皮膚・筋短縮,疼痛を判定した。鍼治療は,一次的障害である罹患筋の過剰収縮,収縮不全に対しては,罹患筋上を通る経絡に所属して,罹患筋から遠隔部にある経穴への置鍼(刺入深度5mm)をおこなった。具体的には,胸鎖乳突筋には合谷,僧帽筋(上部線維)には外関,板状筋には外関もしくは後谿を用いた。置鍼時間は筋緊張抑制は5分間,筋緊張促通は10分間を基本とした。頸部の不随意運動には風邪の主治穴のひとつである百会(刺入深度5mm)への置鍼をおこなった。二次的障害としての筋・皮膚の短縮,疼痛に関しては,障害部位局所への散鍼をおこなった。本法によって9名中7名に神経症状の改善を認め,筋電図学的評価では全例に安静坐位での筋電図振幅の正常化,動作時筋活動パターンの正常化および活動時期の早期化という変化を認めた。これらより,本法による鍼治療は,本疾患に対しての代表的な治療法であると言える可能性が示唆された。
1999-09-30

関西鍼灸短期大学における攣縮性斜頸患者の鍼治療の現状とその効果検討

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