抜去歯を用いた歯石の沈着状態に関する研究[1](自然科学編)

概要

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歯石は歯垢の増加因子として歯周疾患の発病と進行に密接に関与しており,その病的意義は大きいとされている。したがって歯周療法の予防,初期治療,歯周外科治療,メインテナンスのいずれの段階においてもプラークコソトロールとともに歯石を徹底的に除去することが最も必要な処置であり,この目的のために日常スケーリソグ,ルートプレーニソグが行われている。一方,歯肉縁下で行われる器具操作は施術部の直視が不可能なため,これらの処置の徹底を期するためにも歯肉縁下歯石の沈着状態をより明確に知ることは必要条件であると思われる。しかしながら,歯周ポケット内に沈着している歯石の沈着状態に関する研究はほとんど見当たらず適確な判断の基準とするものがない現状である。そこで,今回我々は,歯石沈着状態を把握する研究の一環として,保存抜去歯を用い,歯石の沈着の有無,沈着形態ならびに歯肉縁下歯石の歯頚部から最下端までの距離の計測などを各歯毎全顎について分類検索した結果,全歯種における歯石沈着状態のおおよその傾向が把握できたのでここに報告する次第である。
千葉県立衛生短期大学の論文