Root Planingに関する研究〔II〕 : 主にRoot Planing後のProbing Depthの変化について(自然科学編)
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概要
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歯周ポケットの形成は,歯周疾患に罹患している場合の重要な臨床症状の1つである。したがって,歯周ポケットの深さを知ることは歯周疾患の罹患度や施した処置の有効性および妥当性などを知る上で大切な目安の1つともなる。近年とくに,歯周治療におけるinitial orenarationの重要性が認識され,本格的な治療を行う前に種々の病原因子を除去することが行われるようになってきた。このinitial preparation の1つであるroot planing を徹底的に行うことにより,従来では歯周外科処置が必要と考えられていた症例においてもかなりの初期治癒が見られるようになり,とくに浅いポケットではほとんど正常に近いポケットの深さにまで改善されると言われている。横田らの研究においても徹底した初期治療後の歯周ポケットの深さは,かなりの高率で改善されたと報告している。しかしながら,上記の諸研究ではすべてroot planing時に行われる器具操作の回数に関する条件設定はなされておらず,根面の同一部位に対する操作を何回で止めるかは,それぞれの術者の器具を通じての感触にまかされているので,術者の技術の熟練度によってかなりの差を生じるとともに,実際の臨床において,歯面の汚れが完全に除去され,且つ滑沢な根面を得るためには一体どの程度の圧で何回ぐらいの器具操作が必要なのか見当がつかず,とくに初心者の指導にあたっては何の目安もなかった。そこで石田は前回,この操作回数のおおよその指標を求めるべくroot planingの実験的研究を行った。その結果,新鮮抜去歯根面の一定部位に対し鋭利なcu-retteを用いて平均操作圧800gでroot planingを行った場合,完全に歯面の汚れを除去し,且つ滑沢な根面が得られるための必要器具操作回数は,最低15回との結論を得た。今回,著者らはこの結果を臨床応用した場合について,その妥当性を追求するために本研究を企図した。すなわち,まず初診時に約1〜6mmのprobing depth を有する歯周ポケットに対し前回と同様の操作圧およびcuretteを用いて,同一部位に対し約15回の器具操作回数でroot planingを行った。次いで,術前と術後2週間までの歯肉の状態および歯周ポケットの変化などについて比較検討したところ2・3の知見を得たのでここに報告する。
- 千葉県立衛生短期大学の論文
著者
-
松井 恭平
千葉県立衛生短期大学
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石田 洋子
千葉県立衛生短期大学
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成田 むつ
千葉県立衛生短期大学(歯科保存学)
-
那須 ますみ
千葉県立衛生短期大学小児歯科学
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松井 恭平
千葉県立衛生短期大学歯科衛生学科
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