視知覚論(3) : 知覚研究における現象論について
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概要
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事物を見るとはどのようなことなのか。また,見るという知覚の仕組みとはどのようなものなのか。本論文は,知覚論を構成する3つの位相,すなわち現象論・機能論・機構論の中から現象論を取り上げ,現象論に課せられた問題について論及する。特に,心理学における知覚論は,現象論を出発点とし,機能論も機構論もその評価は現象論に委ねられているという柿崎氏の『心理学的知覚論序説』(柿崎,1993,以下『序説』と略す)を中心に据え,知覚論における現象論の位置づけについて考察してゆく。この『序説』における主題は,哲学(特に,現象学)を拒否し,科学たらんとする心理学独自の言語体系を確立させることにある。しかし,現象論は決してそのあとに続く機能論や機構論を押し進めてゆくための資料を提供するだけに止まっておらず,あらゆる考察の母体となっており,その意味で極めて現象学的と言わざるを得ない。従って,本論文は,現象論における現象学的意義を明らかにし,現象論に理論的基盤を与えることを目的としている。
- 摂南大学の論文
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