マングローブの化学成分(第3報) : 樹皮について

概要

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マングローブ樹皮の化学組成分の特徴を明らかにするために,タイ国産の8樹種の樹皮について,灰分量,抽出物量,クラーソンリグニン量,クラーソンリグニン中のメトキシル基量およびアルカリ性ニトロベンゼン酸化分解によるS/V値を測定し,さらに構成糖の分析も行なった。また,本邦産樹種とも比較するため,本邦産のコナラについても同様の分析を行なった。さらに,樹皮中のフェノール酸やスベリンの存在を考慮して1%水酸化ナトリウム抽出処理試料についても実験を行なった。その結果,マングローブ樹皮はその材部に比べて灰分量,冷水抽出物,温水抽出物,アルカリ抽出物およびアルコール・ベンゼン抽出物の各量とも高い値を示した。リグニン量およびリグニンの化学構造に関する結果も,マングローブの樹皮と材とでは相違していた。構成糖の分折からも,マングローブ樹皮は材と相違しており,特にラムノースが多量に存在していた。また,樹種間,部位による差も認められた。さらに,これらの結果は本邦産樹種とも大きく相違していた。
岐阜大学の論文
1987-12-25