改良キノン添加アルカリ蒸解に関する研究(第2報) : 亜硫酸ナトリウム添加の効果
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概要
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ブナおよびアカマツ木粉を用いて,亜硫酸ナトリウムを添加する改良キノン添加アルカリ蒸解を行ない,亜硫酸ナトリウムの添加量の相違によるパルプ収率,残留リグニン量および炭水化物収率を求め,亜硫酸ナトリウム添加の影響を調べた。さらに,ソーダ蒸解,ソーダ・キノン蒸解およびアルカリ性サルファイト蒸解も行ない,亜硫酸ナトリウム添加ソーダ・キノン蒸解と比較し,亜硫酸ナトリウムの役割を検討した。その結果,亜硫酸ナトリウムの添加量は両木粉に対して15%のときが最適であった。ブナの場合には亜硫酸ナトリウム添加ソーダ・キノン蒸解は亜硫酸ナトリウムとキノンとの相乗効果によって,他の蒸解よりも蒸解性に優れ,脱リグニンが速く,炭水化物収率も向上した。また,クラフト蒸解とも比較したが,亜硫酸ナトリウム添加ソーダ・キノン蒸解は蒸解初期段階から脱リグニン性がよく,炭水化物収率も高かった。アカマツの場合も同様の効果が認められたが,ブナに比べるとそれらは劣っていた。
- 1989-12-25
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