クラフト蒸解におけるアントラキノン添加効果

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概要

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アントラキノン(AQ)助剤を添加したクラフト蒸解に着目し,広葉樹材と針葉樹材についてクラフト蒸解薬液の硫化度の差異によるAQの効果を検討した。さらに,改良KMnO_4酸化分解法を用い,パルプ廃液中のリグニンのβ-0-4結合の開裂状態を調べた。その結果,AQは硫化ナトリウムより優れた脱リグニン蒸解助剤であり,脱リグニン促進効果は硫化度に関係なく,蒸解初期から中期にかけて大部分のリグニンが開裂し,溶出する時期において最も高かった。また,AQ添加によるリグニンのβ-0-4結合の開裂効果は,蒸解時期において相違があった。蒸解の初期においては,まずシリンギル骨格単位のβ-0-4結合の開裂が促進され,蒸解中期段階においては,グアイアシル骨格単位のβ-0-4結合の開裂が促進されると結論した。
岐阜大学の論文
1990-12-25

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