数種の針葉樹原木に接種したシイタケ菌菌糸の初期生長
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概要
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4種類の針葉樹原木(スギ,ヒノキ,アカマツ,スラッシュマツ)およびコナラ原木に接種したシイタケ菌の初期生長(接種後4週間)の状態を光学顕微鏡で観察し次の結果をえた。放射柔細胞,軸方向柔細胞,仮道管,木繊維,道管のいずれの細胞にも菌糸が認められたが,菌糸密度は放射柔細胞が最も大きく,柔細胞から遠ざかるにつれて菌糸量は減少していた。接種した菌糸はまず放射柔細胞内に伸びてゆき,次で壁孔を通って隣接する仮道管(コナラの場合は木繊維)へ,さらに隣接する仮道管へと順次拡がってゆくと考えられる。コナラの早材部および晩材部の道管内腔には菌糸を認めたが,アカマツおよびスラッシュマフの樹脂道内の菌糸の存在は明確に認めることができなかった。自然条件下の原木栽培においては,接種した菌糸を早期に原木内に蔓延させることが極めて大切である。一般に広葉樹類,とくにナラ類やクスギは材の構成要素として柔細胞の比率が針葉樹類よりもはるかに大きく,菌糸が直ちに利用できる栄養物質を多量に含有している。このことが一般に広葉樹が針葉樹よりも原木として適しているとされている理由の一つと考えられる。
- 岐阜大学の論文
- 1983-12-15
著者
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