養護学校小学部の教室の再構造化に伴う自閉症児の変容 : 活動場所への移動に時間を要する自閉症児への取り組みを通して
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概要
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本研究は、TEACCHプログラムを参考に、活動場所への移動に時間を要する自閉症児の自立的な活動への参加を目的とした。これまでの観察により、対象児において活動への参加をスムーズなものにするためには、活動の予測ができるようにすること、環境を構造化すること、食べることや帰宅するという見通しをもたせることが非常に重要であることが分かった。本稿では、教室環境と対象児の特性に合わせたスケジュールボードという観点から、活動場所への移動をさらに自立的に行うことをめざした取り組みを行った。小学部の各教室に「課題」「遊び」「食事」などの明確な機能をもたせ、さらに対象児が活動する場所をそれらの教室に専用に設置したこと、スケジュールボードは教室に固定せず、移動先で確認できるタイプにしたことで、対象児が自立的に移動し活動に参加する様子が観察された。
- 北海道教育大学の論文
- 2003-02-05
著者
-
大井川 健
北海道教育大学附属養護学校
-
志村 克美
北海道教育大学附属養護学校
-
太田 千佳子
北海道教育大学附属養護学校
-
青山 眞二
北海道教育大学函館校
-
加藤 潔
北海道教育大学附属養護学校
-
志村 克美
北海道教育大学函館校附属養護学校
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