臨床看護師のキャリア発達の構造

概要

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本研究の目的は,臨床看護師のキャリア発達の構造を明らかにすることである.研究参加者は,岐阜県下の病院に勤務する10年以上の経験を有する看護師13名である.研究同意書にサインを得た後,半構造化面接を行い,面接内容を質的記述的に分析した.その結果,34サブカテゴリ-,16カテゴリーが抽出された.Glaserのコーディング・ファミリーおよび面接内容の想起を基に,カテゴリーの関連性を検討し,構造モデルを作成した.構造モデルの厳密さは,メンバーチェッキングにより確認した.キャリア発達の構造は,キャリア発達の基礎としての「職業継続の明確な意思」が存在し,キャリア発達のコアとなるものは「自己実現の手段としての看護師という認識」である.このキャリア発達のコアは,「仕事への意欲」,「後輩に伝えたい看護の保有」,「実践の中から学び取る力」,「看護師への肯定的な思い」,「看護とは何かを問い続ける姿勢」,「看護師としての肯定的な自己認知」によって支えられている.このプロセスには,さまざまな「キャリア発達に関する悩み・苦悩の経験」があるが,「仕事や生活への支援」のもとに,「チャンスを生かす思考・行動力」を発揮し,さらに「現状の肯定的なとらえ方」をすることにより苦悩を乗り越えている.またこのことで「結婚,出産,育児と仕事のバランスの保持」というライフイベントと仕事のバランスを取ることができる.そして「自己の課題の認識」と「専門性の追求」といった専門職としての看護の追求が可能となり,このことによってキャリア発達の基礎である「職業継続の明確な意思」がより強固なものとなる.つまりこのキャリア発達は,一連のプロセスが繰り返されることによって,さらなる発達を遂げていくという構造を有している.以上のことから,キャリア発達を促進する基礎教育および継続教育や職場での支援について考察した.
岐阜県立看護大学の論文

臨床看護師のキャリア発達の構造

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