臨床看護師の組織コミットメントを促す経験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
臨床看護師の組織コミットメントを促す経験を探索することを目的として、自由記述による質問紙調査を実施した。本研究で組織コミットメントとは、個人の組織への心理的なつながりと定義した。対象は、15 カ所の病院に勤務する臨床看護師70 名で、自分が勤務する病院に愛着を感じ、頑張って働こうと思うときの記述を依頼した。質問紙の冒頭に研究目的、匿名性・プライバシーの保護、本研究目的以外に使用しないことを記述し、質問紙への回答を同意とみなした。組織コミットメントなしと記述した6 名、および無記名の6 名を除き、58 名の記述を質的に分析した。その結果、12サブカテゴリー、7カテゴリーを抽出し、カテゴリーの関連性を図示した。分析結果の厳密性は、メンバーチェッキングにより実施した。組織コミットメントの中心となっているのは、<自己の存在価値の実感>である。それは<仲間との良好な関係>の中で生じる<チームケアへの満足>、<能力発揮のチャンス>、<充実感・やりがいの実感>から起こっている。これらの経験に影響を及ぼしているのが<病院理念への共感>と<良い病院評価>であった。以上の結果から、臨床看護師の組織コミットメントを促進するためには、個々の看護師の能力を発揮できるチャンスの提供、病院の理念の明確化、個々の看護師のキャリア発達の支援、内的要因による職務満足の促進が重要であると考えられた。
- 岐阜県立看護大学の論文
著者
関連論文
- 臨床看護師のキャリア発達の構造
- 岐阜県内看護職のキャリア発達に関する調査第3報 : 編入学を希望する看護職の要因分析と編入学への期待
- 岐阜県内看護職のキャリア発達に関する調査第2報 : キャリア発達を目指した活動の実態と看護系大学における制度活用希望者の特徴
- 岐阜県内看護職のキャリア発達に関する調査第1報 : 岐阜県立看護大学が実施している諸制度の認知と大学院準備への希望
- 看護職者の体験談を取り入れた授業によるキャリアマネジメントについての学び : 学生のレポート分析から
- 看護職者のキャリアマネジメントのあり方
- 精神科病棟での家族援助の実際と課題
- 精神疾患をもつ長期在院患者の社会復帰に向けての看護実践と課題(第一報)
- 精神障害者の地域生活支援の構造 : グループホームでの支援実態から
- 精神障害者の家族の体験談を取り入れた授業からの学生の学び
- 精神障害者の体験談を取り入れた授業からの学び
- 看護実践の評価を目的とした大学との共同研究が精神科看護職に及ぼす影響
- 看護専門職者のリフレクションのプロセス : 継続教育への活用をめざして
- 外来利用者の満足度調査からみた外来診療の課題
- 一般病院でのターミナルケアへの質の向上を目指す取り組み
- 患者満足度調査からみたA病院における看護サービスのあり方
- 米国看護学部の地域看護センターを視察して
- 看護技術教育--プログラムの再構築と実践 臨地実習における看護技術の習得に関する研究
- 平成15〜16年度の看護研究センターの活動と今後の課題
- 共同研究実施者の意見に基づく事業の見直しと課題
- 看護大学における岐阜県内看護職への研究支援システムの構築
- 共同研究と実習の関連における現状と課題
- 米国大学看護学部における地域貢献のありようについて
- 臨床看護師の組織コミットメントを促す経験
- 中学生のライフイベントの認知・評価とストレス対処方法の性別特徴
- 看護学における理論,実践,知識 : プラグマティズムの適用を例として
- 看護研究における倫理的課題 : 質的研究を中心に
- 看護研究における倫理的課題
- 看護師の職業的アイデンティティに関する中範囲理論の構築
- アメリカのCNSが職業的アイデンティティを確立するプロセス