有明海域の自然環境保全対策に関する工学的研究 : 熊本県の漁業・リゾート開発プロジェクト
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概要
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公共土木事業への過大な経済投資が、行政の課題になっている今日であるが、そこには行き過ぎた開発行為がもたらした国土の環境破壊に対する不安と、その開発を停止することの可能性、さらには昔からの自然回帰がどの程度に可能かについての工学的可能性の探求がある。有明海域についていえば、この海域を、従来のように、単なる新規公共投資の競合の場として、また、広大な上流域からの排水の受け入れの場としてだけでなく、将来は、そこに残された漁場の存在を含む、古来の自然環境の再生が可能になってこそ環境問題の解決であり、地域文化の維持といえる。今日までの、この海域での縦割り行政がもたらした公共事業の多面的な機能を維持し、同時に漁場としての、さらには県民の海域のリゾートの機能を提供できるためには、まずそこに求められる生態系の維持にとって不可欠な空間の存在を認識する必要がある。次に、環境悪化の元凶である水質悪化と汚泥の堆積を除去する工法と対策を研究する、降雨流出や潮流に乗った汚染進行のポテンシャルと魚介の生態との関係を数値・情報化し、環境域のシステム管理を可能にする、といった新しい分野の研究支援が求められる。
- 崇城大学の論文
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