5-ハロゲノテトラゾールの合成とフェノール性水酸基の脱酸素への応用
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概要
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フェノール性水酸基の脱酸素反応は化学的に重要な手法であるが,これに関する報告は極めて少ない。5-クロロ-1-フェニルテトラゾールはこの反応に有効な試薬の一つであるが,合成が容易ではなく高価である。一方,我々はケイ素試薬の反応性の研究の一環として,シリルアジドとカルボニル化合物の反応によりテトラゾール誘導体を生成することを報告している。そこで,本研究は効率的に一置換テトラゾールを合成し,そのハロゲン化によって5-ハロゲノテトラゾールを調製し,それらがフェノール性水酸基の脱酸素反応に有効な試薬であるか検討した。各種アルデヒドとシリルアジドの反応を検討した結果,脂肪族アルデヒドは好収率で目的物である一置換テトラゾール4を与えたが,芳香族アルデヒドは相当するニトリルを与え目的物は殆ど与えなかった。次に,得られた1-アルキルテトラゾールのハロゲン化を検討し,目的物である1-アルキル-5-ハロゲノテトラゾール6を50から75%の収率で得た。これらと各種フェノールとの縮合反応を試みた結果,基質による差は若干認められるが,キシレノールやブチルフェノールとは比較的良い収率でテトラゾリルエーテル8を与えたが,チロシンに対しては反応性は極めて低かった。次に得られたテトラゾリルエーテル8cnを中圧で水添した結果,還元生成物であるt-ブチルベンゼンの収率は単離の問題はあるがテトラゾロン10cがほぼ定量的に得られた。この事実から今回合成したアルキルテトラゾールも芳香族水酸基からの脱酸素剤として有効であることが判った。以上の結果,1-アルキル-5-ハロゲノテトラゾールは5-クロロ-5-フェニルテカオスを示す化学振動モデル系における緩和
- 1993-03-30
著者
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大場 真
東海大学開発工学部素材工学科
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西山 幸三郎
東海大学開発工学部素材工学科
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大場 真
Department of Material Science and Technology, School of High-Technology for Human Welfare, Tokai Un
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西山 幸三郎
Department of Material Science and Technology, School of High-Technology for Human Welfare, Tokai Un
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大瀧 秀彰
Department of Chemistry, Tokyo Metropolitan University
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森田 文子
Department of Chemistry, Tokyo Metropolitan University
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大地本 治樹
Department of Chemistry, Tokyo Metropolitan University
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森田 文子
Department Of Chemistry Tokyo Metropolitan University
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西山 幸三郎
Department Of Material Science & Technology School Of High-technology For Human Welfare Tokai Un
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大瀧 秀彰
Department Of Chemistry Tokyo Metropolitan University
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大地本 治樹
Department Of Chemistry Tokyo Metropolitan University
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