<原著論文>mental rotation時のfunctional MRI : 右回りと左回りの違いの検討

概要

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当初は視覚的イメージの研究分野で注目されたmental rotationは, リハビリテーションの領域ではその応用として半側空間無視の機序の解明に用いられてきた。今回我々は, 時計回りと反時計回りに三次元の図形を回転させてfunctional MRI (fMRI)を施行し, 脳の賦活状態を検討したので報告する。フイリップス社製1.5T装置を使用し, 右利きの正常被験者5名を対象とした。スクリーンに提示した三次元の異同判断課題を20秒間続けることを1回の刺激とした。画像を見せない安静を7回と, この刺激を6回交互に繰り返してfMRIの撮像を行った。この一連の撮像を, 1度目は, 三次元の図形を時計回りにして異同判断するようにし, 2度目は反時計回りにして異同判断するように依頼した。画像処理手法として, 減算処理, t検定処理, 相互相関処理を行い, 賦活化領域を検討した。被験者5名のうち, 3名で両方の回転で両側の頭頂葉に賦活を認め, 1名では右回りにのみ両側の頭頂葉の賦活が認められた。2名では左運動野の賦活も認められた。