茨城県A市における国際シンボルマークの設置状況と理解度についての調査
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概要
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障害者に建物・施設のアクセスを保障していることを表示するものに国際シンボルマーク(以下, シンボルマーク) があるが, この設置基準があることはほとんど知られていない。そのため, シンボルマークが本来の意味を成していないところに設置され, 使用する障害者に不自由を来していることがある。茨城県A市における現状を把握し, 障害者の外出に障害となっているのか検証する目的で公共民間施設計35カ所を対象として現地調査を行なった。施設・駐車場の計測は勾配計とメジャーを使用し, シンボルマークの設置率や設置基準との整合性を確認した。結果から, シンボルマークを設置していたのは調査した公共施設24カ所のうち16カ所(67%)であり, 設置基準を全て満たしていたのは5ヶ所 (21%) だった。民間施設では, 調査した11カ所のうちシンボルマーク設置は6カ所 (55%) だったが, そのうち設置基準を全て満たしていたのは1ヶ所 (9%) のみであった。設置基準を満たしていない箇所として, 公共施設では身障者用駐車場, 出入口の幅, エレベーターが上位であり, 民間施設ではトイレ, 身障者用駐車場, スロープの傾斜度の順に続いた。今回の調査の結果としては, シンボルマークが設置してあるからといっても必ずしも施設・建物のアクセスを保障しているとは限らなかった。また, シンボルマークに対する理解度を知るためのアンケート結果から, シンボルマークの知名度は100%だったが, その表示意味については正答率18%と低かった。四つ葉マークの方の正答率も20%とあまり変わらなかったが, こちらは知名度が48%であった。身障者の利用が少ないという施設が多く, 環境整備の限界も明らかになった。今後, 身障者本人からの意見情報収集が必要である。
- 茨城県立医療大学の論文
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