人の一生を見通した高等学校家庭科の学習内容に関する考察(第1報) : 大学生におけるライフステージ別学習必要度の分析
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概要
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高等学校において男女必修の家庭科を学んだ大学生を対象に, 新学習指導要領「家庭総合」の学習項目の必要度を, (1)現在(大学生の時), (2)35歳の時, (3)70歳の時の3つのライフステージごとに調査を行った.そのおもな結果を次にまとめる. 1)大学生において, (1)現在(大学生の時), 学習の必要度が高かった領域は, (5)消費生活と資源環境, (3)高齢者の生活と福祉, (2)乳幼児の発達と保育であった.学習項目としては「食生活の管理」, 「栄養と食事」, 「食品と調理」, 「青年期の課題」, 「消費行動と意思決定」などの学習の必要度が高く認識されていた.2)ライフステージ別にみると, 学習の必要度が高かった項目は, (2)35歳の時では, (2)乳幼児の発達と保育, (3)高齢者の生活と福祉, (5)消費生活と資源環境であり, (3)70歳の時では, (3)高齢者の生活と福祉, (5)消費生活と資源環境, (4)生活の科学と文化であった.このように, 新学習指導要領において重視されてきている保育と高齢者福祉に関する内容に関連して大学生が自らの将来を考えた際, 必要度の高い学習内容が適切に認識されていたことが把捉できた. なお, こうした学習の必要度の認識にどのような要因がかかわっているのかについては, 次報で報告する.本研究は, 日本家庭科教育学会九州地区会2002年度第6回研究発表会において発表したものである.最後に, 調査にご協力いただいた熊本大学教育学部の学生の皆さんに深謝いたします.
- 熊本大学の論文
- 2002-11-25
著者
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