プレスナーの哲学的人間学における位置性の理論(3)
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概要
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これまでの2回にわたる前編では, プレスナーの哲学的人間学のよって立つ哲学的諸前提とその出発点となった哲学的・生物学的論争について考察した。本稿からはいよいよ, その哲学的人間学の中心思想である位置性の理論の核心的な部分を取り上げる。まず本稿では, 有機的生命一般の本質的諸性質と, これを踏まえた植物的生命の本質的諸特徴とにかんするプレスナーの理論を解明し, 論評する。初めに, 生命体とそれの環境領野である媒体とのあいだに想定される境界, そしてこれにもとづいて生ずる位置性の概念のプレスナー的意味を再確認したうえで, 生命体一般がそなえる動態的および静態的性格, そして生きたものの自己調節可能性と調和等能性などにかんするプレスナーの理論を解釈する。そして, 開放的な有機組織形式をもつと特徴づけられる植物の位置性が生命循環のなかでどのように機能し, またそれが動物の位置性または位置形式とどのように区別されるのかを解明し, あわせてプレスナーのこうした接近の視点の積極的面と限界とを考察する。
- 札幌学院大学の論文
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