野幌森林公園における森林保護のための市民活動
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概要
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北海道立自然公園である野幌森林公園では現在,森林の管理をめぐって石狩森林管理書と公園利用者および自然保護団体との間でいくつかの諸問題が生じている。そのひとつは,2000年度の「遊歩道整備計画」の問題であり,二つ目は同じく2000年度から三回にわたって同署より提起された「危険木」伐採計画の問題である。さらに三つ目は,これらよりもさらに古い問題,すなわち,この道立自然公園を貫通して西野幌から札幌もみじ台方面へと抜ける「中央道路」の存続の問題である。本論文では,「遊歩道整備計画」と「危険木」伐採のふたつの問題を取り上げる。「遊歩道整備計画」にかんしては,砂利の敷設や木道の設置が自然公園にとっては不必要であり,またそのさいに業者の重機が植生を破壊したりなどの理由から,市民および学生からの抗議が行われ,工事を中止したり縮小したりなどの事態が生じている。また「危険木」伐採問題にかんしても,「危険木」の認定基準や伐採方法をめぐって市民からの反対運動が展開されている。これらの諸問題が生ずる度に焦点となっているのは,森林の保護と管理にたいする「市民参加」の必要性であり,官僚丸抱えの「管理責任」から「自己責任」への移行め必要性である。本論文では,ここ数年にわたって野幌森林公園で行われてきた市民運動の事実経過を記録するとともに,そこから,「環境の世紀」にふさわしい将来的な森林の管理のあり方をめぐっていかなる教訓と方向性が提起されているのかを考察することにしたい。
- 2004-03-30
著者
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