沖縄におけるサトウキビに対するカンガイの必要性 (2)(農業工学科)
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概要
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1.本研究では, 宮古(島尻マージ地帯)と南風原(ジャーガル地帯)のサトウキビ栽培ホ場における水収支計算を行い, 不足水量と夏植サトウキビの10アール当り収量との関係から, カンガイの必要性について検討した。2.宮古では, 夏植サトウキビの全生育期間, 植付翌年の1年間, 植付翌年の7月∿9月の各生育期間における降雨量の平年値はそれぞれ3600mm, 2150mm, 590mmとなった。また, これらの各生育期間における有効雨量の平年値は950mm, 720mm, 230mmで, 不足水量の平年値は482mm, 467mm, 249mmとなった。3.南風原では, 各生育期間における降雨量の平年値は3450mm, 2100mm, 580mmで, 有効雨量の平年値は1020mm, 770mm, 245mm, 不足水量の平年値は421mm, 408mm, 220mmとなった。4.宮古では, どの生育期間においても, 不足水量と夏植サトウキビの10アール当り収量との間には負の勾配を持つ直線関係が認められた。すなわち, 島尻マージ地帯においては, サトウキビに対するカンガイが必要で, とくに植付け翌年の7月∿9月におけるカンガイの重要性が明らかになった。5.南風原では, どの生育期間においても, 不足水量と夏植サトウキビの10アール当り収量との間には確かな関係が認められなかった。すなわち, ジャーガル地帯においてはサトウキビに対するカンガイがあまり必要でないという結果が得られた。これは, 有効根群域より下の土層からの水分補給があるためだと推察される。
- 琉球大学の論文
- 1981-11-30
著者
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