<原著>Dispatchカテーテルを用いたtPA注入による家兎総腸骨動脈血管傷害後の内膜過形成防止

概要

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兎の総腸骨動脈をPTCAバルーンにて血管傷害後, 組織プラスミノーゲン・アクチベーター(tPA)をDispatchカテーテルを用い傷害した部位に局所注入, その後3日間持続静注により, 血管傷害後の内膜過形成がtPAにより防止できるか否かを検討した.32羽の遺伝性高コレステロール血症家兎(KHC)の総腸骨動脈に直径2.5mmのPTCA用バルーンカテーテルを挿入, 6気圧60秒拡張を3回施行した.血管傷害後, Dispatchカテーテルを使用してtPA(アルテプラーゼ)を0.6mg/kgを30分間で局所注入, その後耳介静脈よりtPAを0.6mg/kg/24hで3日間持続静注した.32羽の家兎は, I : control群(n=6), II : Dispatch(+)・tPA(-)群(D(+)・tPA(-))(n=10), III : Dispatch(+)・tPA30分間局所注入群(D(+)・tPA(30min))(n=8), IV : Dispatch(+)・tPA30分間局所注入後3日間持続静注群(D(+)・tPA(30min+3days))(n=8)の4群に分け, 血管傷害28日後, 傷害部の血管の組織学的所見より内膜面積はcontrol群0.60±0.39mm^2に比べてD(+)・tPA(-)群0.21±0.12mm^2,D(+)・tPA(30min)0.19±0.26mm^2,D(+)・tPA(30min+3days)群0.03±0.02mm^2と, 有意に小さかった(それぞれp<0.01,p<0.05,p<0.01).また, D(+)・tPA(-)群に比べてtPA(30min+3days)群で, 内膜面積が有意に小さかった(p<0.01).内膜面積を中膜面積で除した内膜・中膜比はcontrol群0.91±0.22に比べてD(+)・tPA(-)群0.41±0.28,D(+)・tPA(30min)群0.23±0.28,D(+)・tPA(30min+3days)群0.05±0.04と有意に小さかった(それぞれp<0.01).D(+)・tPA(-)群に比べてtPA(30min+3days)群で内膜・中膜比は有意に小さかった(p<0.05).DispatchカテーテルによるtPA局所注入後3日間持続静注は, 血管傷害後の内膜過形成を防止した.
近畿大学の論文
2000-12-25

<原著>Dispatchカテーテルを用いたtPA注入による家兎総腸骨動脈血管傷害後の内膜過形成防止

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