トレンチ調査からみた十日町盆地東縁断層の変位様式と活動履歴
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概要
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The Eastern Marginal Fault of the Tokamachi Basin is located on the right bank of the Shinano River, the longest river in Japan, in the Niigata area, within the Neogene fold and thrust belt of central Japan. The activity of this fault is partly responsible for the formation of the Tokamachi tectonic basin. The fault zone is composed of several subparallel fault branches that strike N-S to NNW-SSE and deformed late Pleistocene to Holocene fluvial terraces. These fault branches are characterized by west-facing scarps with some subsidiary east-facing scarps to the east of the basin. Although the destructive 2004 and 2007 earthquakes occurred in the northern part of this fold and thrust belt, no historical rupture has been recorded in the Tokamachi Basin. To obtain paleoseismic records in this tectonically formed basin, we excavated four trenches across different fault branches. The Banba South, Banba North, and Shinmiya trenches are located across the west-facing scarps, and the Miyakuri trench is on an east-facing scarp. Fault exposures and deformed terrace deposits are present in these four trenches. These results confirm that these geomorphic scarps are indeed produced by faulting. At the Banba S trench, three fault traces that have nearly horizontal to very shallow dipping fault planes with upthrown side on the east are present, and show clear evidence of the latest event at ca. 3,500-3,100 yrs BP (BC 1,965-1,630 to BC 1,505-1,145). A penultimate event possibly occurred at after ca.11,000 yrs BP. (BC 11,810-9,800), although its exact timing is not determined. At the Banba N trench, the terrace deposits of ca. 5,300 yrs BP (BC 4,225-3,965) are deformed. This suggests the age of deformation is younger, and probably coincides with the latest event at the Banba S trench. At the Shinmiya trench, the late Pleistocene terrace is divided into two parts by a flexural scarp, probably produced by a blind reverse fault. The scarp is formed prior to 14,000 yrs BP (BC 14,710-13,700). In addition, a younger event is recognized to have occurred between 9,400 and 8,900 yrs BP (BC 8,555-8385 to BC 8,000-7,910). In contrast to those trenches on the west-facing scarps, trench logs at Miyakuri, located on an east-facing scarp, show possibly two events with relatively steep fault planes during the last 32,000 yrs. The latest activity at Miyakuri occurred between 9,500 and 7,400 yrs BP (BC 8,955 to BC 6,365-6,045), but the age of the penultimate event cannot be precisely determined. However, we suggest that the faulting interval at Miyakuri is longer than that of other fault branches. In summary, from this study, we can identify at least three paleoseismic events, namely, I, II, and III, and a possible event IV for the Eastern Marginal Fault of the Tokamachi Basin. Event I is clearly identified at Banba S and N trench. Three faults probably moved simultaneously by Event II. Two other events are only recognized locally. Faulting on the west-facing scarp is more frequent and has a high slip rate, reaching nearly 1 m/ky.
- 社団法人 東京地学協会の論文
- 2010-02-25
著者
-
太田 陽子
横浜国立大学
-
渡辺 満久
東洋大学社会学部
-
澤 祥
鶴岡工業高等専門学校
-
谷口 薫
産業技術総合研究所活断層・地震研究センター
-
田中 真弓
鹿島建設株式会社技術研究所
-
廣内 大助
信州大学教育学部
-
金 幸隆
東京大学地震研究所
-
太田 陽子
横浜国立大学教育学部地理学教室
-
鈴木 郁夫
新潟大学
-
鈴木 康弘
名古屋大学
-
金 幸隆
京都大学大学院
-
鈴木 廉弘
愛県大
-
沢 祥
鶴岡工高専
-
鈴木 康弘
名古屋大学大学院環境学研究科
-
澤 祥
国立高等専門学校機構鶴岡工業高等専門学校
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